ドル円 基本はレンジ継続か、欧州通貨の動きに注意(7/6夕)

6日の東京市場はドルが小安い。前日記録した直近安値を一時下回る局面も観測されたが、下値も堅かった。

ドル円 基本はレンジ継続か、欧州通貨の動きに注意(7/6夕)

基本はレンジ継続か、欧州通貨の動きに注意

〇ドル円、111円前後を日中高値に緩やかな右肩下がり、夕刻110.75まで下落し前日安値を僅かに下回る
〇OPECプラスの減産延長をめぐる会合が延期、原油相場へ上昇圧力と為替市場でも波乱要因の可能性
〇本日発表の米総合PMIや同ISM非製造業総合指数、欧州関係の情勢などに要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.50-111.40

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場はドルが小安い。前日記録した直近安値を一時下回る局面も観測されたが、下値も堅かった。

ドル/円は、寄り付いた111円前後を日中高値に緩やかな右肩下がり。値幅そのものは25ポイント程度と決して大きくなかったが、夕方には110.75円近くまで下落し、前日安値をわずかながら下回る局面も観測されていた。16時現在、ドル/円は110.85-90円で推移、欧米市場を迎えている。
そんななか、豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨が小高い。豪中銀が2024年まで金利は現行水準にとどまるとの見通しを示したものの、債券買い入れプログラムについては縮小を決めたことなどが好感されていたようだ。また、NZにも早期利上げ思惑が台頭していたもよう。

一方、材料的に注視されていたものは、「OPECプラスをめぐる動き」と「中国情勢」について。
前者は、週末に「8月以降の減産態勢を協議」したが折り合わなかったことが明らかにされている「石油輸出国機構(OPEC)プラス」だが、再会合が予定されていた5日の閣僚級会合が延期されている。争点となっている減産の延長をめぐって折り合いがつかなかったとされており、原油相場にジワリと上昇圧力がかかってきているようだ。為替市場においても、今後波乱要因となる可能性もあるだろう。

対して後者は、昨日、中国の習国家主席がフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相とオンライン会談を開催。習氏は「欧州が戦略的自主性を具体的に表すよう望む」などと述べ、「包囲網」分断を意識した動きも観測されたが、逆に両首脳から「中国の人権状況に深刻な懸念」が示されていた。一方、来年に自国の北京五輪開催が予定されていることもあってか、かねてから日本との協力を強める意向をみせているが、一部報道で「東京五輪開会式への孫副首相の出席を検討していることが分かった」などと報じられている。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円はNYの休場もあり小動き。そして本日東京も、その流れを継ぐ格好でのレンジ取引だ。昨日から本日にかけての形成レンジはさすがに狭すぎるが、マーケットではしばらくレンジ取引が続くとの見方が有力。基本的には111円±40銭程度、また仮にブレークしたとしても、先月末から2週間近く続く110.42-111.66円といったレンジにはとどまるとの公算が大きいようだ。

市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。FRBによる早期テーパリング観測がくすぶるなか、先でも取り上げたようにNZなどでも利上げ期待が高まってきた感がある。つまり、それだけを持ちドルの支援要因とはなかなか言えなくなりつつあるが、対円では話が別だ。日本はデフレマインドが非常に強く、利上げなど夢のまた夢という状況に陥っていることは改めて指摘するまでもないだろう。調整など一過性の動きはともかく、基調としての円高は対ドルのみならずなかなか予想しにくい。

テクニカルに見た場合、ドル/円の強い抵抗となると先週示現した111.66円だが、NY休場のなか記録した昨日高値111.19円の攻防にまずは注目だ。それに対する下値メドは、昨日そして本日ドルの下値を支えている110.75-80円。下回ると、110.40円前後までレベルを切り上げている移動平均の21日線がターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、米の総合PMI確報や同ISM非製造業総合指数などが発表される予定だ。また、米国ファクター以外、欧州関係の情勢にも要注意。なかでも、6日の夕食会からスタートする「ECB戦略点検に関する特別会合」を警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.50-111.40円。昨日高値111.19円の攻防にまず注目。上値は重そうだが、超えれば111.66円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースではなかなか強いサポートとなっている110.75-80円が最初の下値メド。割り込むようだと前回安値110.42円が意識されそうだ。

基本はレンジ継続か、欧州通貨の動きに注意

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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