トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、12.46〜12.86レベルのレンジ、週初のみわずかに先週安値を下回る
〇トルコリラ、リスクオフ先行での売りから週初は対ドルで史上最安値更新
〇週半ばに向け円が弱い推移となり、トルコリラ円は買い戻されたのちに週末にかけて再び売りが入る展開
〇トルコリラ防衛のためスワップ協定を4か国と協議中という報道、リラ買い戻しの理由の一つか
〇トルコリラ急落のリスクはやや後退したが、反転上昇という流れも考えにくい
〇今週は12.35レベルをサポートに12.85レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「引き続き下押しが継続しやすい地合いを考え、12.20レベルをサポートに12.75レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.46レベル、高値が12.86レベルとなり、下げは週初のみでわずかに先週安値を下回った程度の動きに留まりました。
先週のトルコリラは、週初こそ株安の動きもありリスクオフ先行での売りから、ドルトルコリラは8.7919レベルとトルコリラの史上最安値を更新しましたが、ドル円が年初来高値を更新する動きとなり円もまた弱い推移となったことで、トルコリラ円は週半ばに向けて買い戻されたのちに週末にかけては再び売りが入った展開です。
買い戻しが入ったもうひとつの理由としてはトルコ中銀総裁がトルコリラ防衛のためのスワップ協定を4か国と協議中というニュースも出ています。これには既に合意した中国との増枠も含まれていると考えられますが、ロイターによると他にも英国、ロシア、韓国、マレーシア、カタール、アゼルバイジャン等となっていますので、実際に多くの国と協議をして、最終的に4か国との合意の可能性があるという流れだと言えそうです。
実際に合意になればトルコリラ売りに歯止めをかけるために使われるでしょうから、トルコリラの一段安に対して歯止めをかけられそうですが、昨年一年間でトルコの外貨準備は75%減少したことから考えても、他国からの資金となると慎重に動かざるを得ないでしょう。
そもそも現在のトルコには次回以降の中銀会合で利下げが行われるのではないかという懸念がつきまといます。トルコリラ急落のリスクはやや後退したものの、反転上昇という流れも考えにくく、引き続きドルトルコリラの動きを中心に注意が必要でしょう。
テクニカルにはドルトルコリラの週足チャートから見ていきます。
ドルトルコリラは近年ほぼ一貫したトルコリラ安となっているため、ターゲットを求めるための起点を決めるのが悩ましいのですが、ここでは2018年にトルコリラ安が進んだ後のドル安値(トルコリラ高値)となった2018年11月安値5.1311レベルを起点としました。
同水準から2020年ドル高値までの上げ、その後2021年ドル安値までの下げを3点としてフィボナッチ・エクスパンションを考えます。すると次のターゲットとしては61.8%エクスパンションの9.0217という水準が出てきます。大台の9.0からこの9.02といったあたりはトルコ中銀の利下げが無いと行かないとは思うものの警戒はしておく必要があるでしょう。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
こちらは先々週の高値からレジスタンスラインを引いてありますが、まだ強いレジスタンスとは言えませんし、現行水準もあまりに近すぎます。今週は先週のレンジを参考に抜けるとしたら引き続き下方向というイメージでよさそうです。ただ、スワップ協定の話もあり、大きな下げには繋がらないと考えています。
今週は12.35レベルをサポートに12.85レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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