トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですがランド円は「33.60レベルをサポートに、35.50レベルをレジスタンスとする」流れを予想しました。実際のレンジは安値が33.93レベル、高値が35.16レベルと予想よりもやや狭い値幅での取引となりました。
先週の当初あげた材料は引き続きドルトルコリラにおけるトルコリラ安の動きと、日米の金融政策イベントから来る円高リスクをあげましたが、材料、レンジともに先週は良かったではないかと思います。
今週も引き続き主要国のイベントが続きます。週報をご覧いただくとわかる通り、経済指標も多いのですが、第1週ということで5日には米国雇用統計があります。先週金曜に発表された米国4〜6月期のGDP速報値が予想以上に悪く、前期も下方修正されたことで9月以降の年内残り3回のFOMC(9, 11, 12月)における利上げ思惑に変化が見られるかどうかはドルにとっての重要な材料です。
また4日には英中銀のMPCがあり、前回7月には緩和があると思われていたところに現状維持となりましたので、今回8月に緩和(0.25%の利下げ)が行われることが市場のコンセンサスです。そして、これについてはポンド売り・ドル買いの潜在的な圧力になり得ますので、ドルの材料という点では今週は比較的ニュートラル、クロス円を考える際に重要なドル円に関してのみ、ややドルの上値圧力が強いと考えることが出来るでしょう。
いっぽうでトルコリラの材料ですが、経済指標は細かなものがいくつかありますが重要度はそれほど高くなく、イベントも目立ったものはありません。クーデター未遂後のエルドアン大統領による反体制派粛清の動きもその後は落ち着いていて、こちらも新たな材料とはならないかと思います。引き続き警戒感は残りますのでトルコリラの下げ要因とはなるものの短期的な材料ではありません。
そうなると、手掛かりはドル円、そしてトルコ円としてのテクニカルということにならざるを得ないため、トルコリラ円の日足チャートから現在の状況を考えてみましょう。
トルコリラ円日足
トルコリラ円日足チャートに均衡表を重ねたものですが、4月下旬以降中期的な下降トレンドになっていて、雲の下での推移を続けながら直近では雲の下限(現在35.19)がレジスタンスとなりやすい水準に位置しています。
また、英国国民投票後の安値32.72と7月戻し高値36.88からフィボナッチ・リトレイスメントの押しを計算すると現行水準が61.8%押しの34.31の水準で、これまでは何度もサポートとなってきました。しかし、引き続き下値模索が続きやすいということを考えると、次のターゲットとしては78.6%(61.8%の平方根)押しの33.61という水準が考えられます。
今週は33.60レベルをサポート、35.20レベルがレジスタンス
総合して考えると、今週は33.60レベルをサポートに、35.20レベルをレジスタンスとする流れを見ておくと良いでしょう。
なお、先週金曜にリスク管理に関する注意喚起をさせていただきましたが、今週以降も状況によっては乱高下のリスクは常に付きまといます。ポジション、オーダーの管理には十分な注意をしていただきたいと思います。
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