『約2年1ヶ月ぶり高値圏へ急伸。節目8.00円超えが射程圏内』
〇南ア円週明け早々に7.76まで軟化後週末にかけ7.99まで上昇
〇S&P・フィッチの南ア格付けおよび見通し据え置き、景気先行指数のの良好な結果等が支援
〇南ア円テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズも南ア円上昇意識させる材料増える
〇南ア円続伸がメインシナリオ、来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10
今週のレビュー(5/24−5/28)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.80円で寄り付いた後、早々に週間安値7.76円まで軟化しました。しかし、一目均衡表転換線(7.76円)に続落を阻まれると、@米格付け大手S&P及びフィッチが南アフリカの格付と格付見通しを据え置いたこと(安堵感)や、A南ア3月景気先行指数(結果121.3、前回116.8)の良好な結果(南ア経済の回復期待)、B世界的なリスク選好ムード、C南アフリカ中銀の金融引き締め観測(南アフリカ中銀は5/20の会合でインフレ抑制に向けて金融引き締め政策を躊躇しない方針を示唆)が支援材料となり、週末にかけて、2019年4月以来、約2年1ヶ月ぶり高値となる7.99円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局7.96円前後での越週となっております。
来週の見通し(5/31−6/4)
南アランド円相場は、週後半にかけて約2年1ヶ月ぶり高値となる7.99円まで上昇しました。強い買いシグナルを示唆する三役好転(一目均衡表転換線と基準線のゴールデンクロス+ローソク足の雲上限上抜け+遅行線の26日前のローソク足上抜けが全て揃う状態)や強気のパーフェクトオーダー(移動平均線が上から順番に短期・中期・長期で並ぶ状態)、ダウ理論における上昇トレンド(高値と安値を同時に切り上げる展開)や強気のバンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態)も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(目先は心理的節目8.00円超えを試すシナリオが想定されるでしょう)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の回復期待(景気回復期待→インフレ加速。先週発表された南ア消費者物価指数は市場予想を上回る伸び率を記録)や、A上記@を背景とした南アフリカ中銀による利上げ再開観測、Bバイデン米政権による親アフリカ政策への安堵感、C米格付大手各社による「格下げ見送り」など、南アランド円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は5/31に発表される南ア4月貿易収支や、6/1の南ア1ー3月期失業率、南ア5月Absa製造業PMI、6/3の南ア5月マークイットPMIに注目が集まります。市場予想を上回る好結果となった場合には、心理的節目8.00円の大台を突破し、ストップを巻き込みながら一段高となる可能性もある為、引き続きアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10
南アフリカランド円日足
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