ドル円 要人発言に引き続き注意、ただレンジ継続か(5/26夕)

26日の東京市場はややドル高。終日を通した値幅は20ポイントにも満たなかったが、終盤にかけてドルはじり高推移をたどっている。

ドル円 要人発言に引き続き注意、ただレンジ継続か(5/26夕)

要人発言に引き続き注意、ただレンジ継続か

〇ドル円、積極的な売買は控えられ108.70-90の非常に狭いレンジ取引に終始
〇NZドルが対円で79円半ばへ値を上げ一時年初来高値を更新、同中銀が2022年の利上げ示唆が好感か
〇昨日発表の米5月消費者信頼感指数、同連銀製造業指数など予想を下回る結果に
〇米要人からハト派発言が目につき早期テーパリング観測が後退か
〇米露首脳会談が実施で大筋合意、両国の関係改善になるのか注目
〇昨日強気発言が見られたクオールズFRB副議長の発言内容に本日も要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.40-109.30

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場はややドル高。終日を通した値幅は20ポイントにも満たなかったが、終盤にかけてドルはじり高推移をたどっている。

ドル/円は108.75円で寄り付いたのち、おおむねレンジ取引。日米株価などをにらみつつも、積極的な売買は手控えられ、108.70-90円といった非常に狭いレンジ取引に終始している。ただ、そのなかでも終盤に掛けては若干ドル買いが優勢に。16時現在では日中のドル高値圏108.85-90円で推移、欧米市場を迎えていた。
また、ドル/円以外でも総じて小動きをたどるなか、NZドルはひとり気を吐く動き。対円では79円半ばへと値を上げ、一時年初来高値を更新していた。同国中銀が2022年の利上げを示唆するなど、予想よりも強気の姿勢を示したことが好感されていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「米露首脳会談」について。
前者は、昨日発表された5月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などの米経済指標が予想を下回る内容に。また、米要人からもシカゴ連銀総裁「金融緩和策を完全に支持する」、サンフランシスコ連銀総裁「米金利縮小条件に進展は見られない」などといったようなハト派発言が目に付いた。早期テーパリング観測が若干後退したか。ただ、クオールズFRB副議長からは「テーパリング開始、今後数回の会合で協議できるようになる」と逆に強気ともいえるコメントが聞かれていた。

対して後者は、前日に一部報道で「米露首脳が会談実施で大筋合意、開催地はスイスの公算」などと伝えられていた内容が本決まり。ホワイトハウスの発表によると、「6月16日にスイス・ジュネーブでバイデン米大統領がプーチン露大統領と会談する」という。ちなみに、議題となるのは両国関係の発展の見通しや戦略的な安定、ウクライナ、ベラルーシ情勢など。米露両国の関係改善に向けたキッカケになるのか否かにも注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、昨日は発表された米経済指標が期待外れの内容、かつ当局者の消極的コメントもあり、米インフレ懸念は後退した。それもあってか、為替市場もドル買いが手控えられると、動意の鈍さに拍車がかかった格好だ。レポートしているように、すでに1ヵ月程度もレンジ取引をたどっていることからすれば、そろそろ保ち合い放れをしても不思議はないが、なかなか次なる動意への道筋を見出しにくい状況にある。
市場の関心は、昨日一歩後退した感のある「米インフレ」懸念、そして引き続き広義の米ファンダメンタルズだ。そんななか、前者と絡めていえば、昨日予想以上の強気発言が聞かれたクオールズFRB副議長による発言機会が本日も予定されており、まずはそれに要注意。また、為替市場にどこまで影響を及ぼすのか不明だが、このところ東京オリンピックに関する話題がかまびすしいだけに、ワクチン接種の状況などと絡め、こちらも一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然として1.5円レンジ内にとどまっており方向性はうかがえず。昨日も一時108.57円まで軟落したが、レンジを割り込むことは出来なかった。いずれにしても上記レンジをめぐる攻防が注視されており、さらに目先に限れば、108.50-109.30円といった1円にも満たない、さらに狭いボックス圏をめぐる攻防に注目だ。果たして方向性が示されることになるのだろうか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、米経済指標はMBA住宅ローン申請指数が発表される程度で、やや手掛かり材料難か。とは言え、米財務省による5年債入札や、先でも取り上げたクオールズFRB副議長のイベント参加なども予定されており、それらには注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.30円。昨日109円の壁は超えたものの、ドル高値は109.07円まで。同レベルがまずは抵抗として意識されそうだ。抜ければ、19日高値の109.34円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のドル安値であり、時間足ベースでは目先何度か下げ止まっている108.55-60円の攻防に注目。割り込めば月間安値108.34円を目指す。

要人発言に引き続き注意、ただレンジ継続か

ドル円日足


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