南ア中銀の利上げ観測を背景に約1年5ヶ月ぶり高値を更新
〇今週の南ア円週明け早々に週間安値7.69円まで軟化
〇その後南アCPIの上昇、GDP成長率予測上方修正で週末にかけ1年5ヶ月ぶり高値7.82円まで上昇
〇南ア円、三役好転や強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論における上昇トレンドも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも南アランドの上昇を意識させる材料が増えつつある
〇南ア円の続伸を来週のメインシナリオとして予想、5/27発表の南ア4月PPIに要注目
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.60ー7.90
今週のレビュー(5/17−5/21)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.74円で寄り付いた後、早々に週間安値7.69円まで軟化しました。しかし、一目均衡表転換線に下支えされると、@南ア4月消費者物価指数の伸び率上昇(結果4.4%、予想4.3%、※前年比)や、A南ア経済の回復期待(南ア中銀は2021年度のGDP成長率予測を3.8%から4.2%へ上方修正)、B上記@Aを背景とした南ア中銀の金融引き締め観測(南ア中銀は5/20の会合で政策金利を3.50%に据え置きましたが、インフレ抑制に向けて金融引き締めを躊躇しない方針を示唆)が支援材料となり、週末にかけて、約1年5ヶ月ぶり高値となる7.82円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局7.80円前後での越週となっております。
来週の見通し(5/24−5/28)
南アフリカランド円相場は週末にかけて約1年5ヶ月ぶり高値となる7.82円まで急伸しました(約1年以上にわたって上昇トレンドが継続中)。強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論における上昇トレンドも継続しており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(但し、上方には、2019年12月27日に記録した直近高値7.83円が待ち構えているため、短期的には利食い売りや逆張りが強まる可能性もあり)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南ア経済の回復期待や、A南ア中銀による利上げ観測(南ア中銀は今週の会合でインフレ抑制に向けて金融引き締めを躊躇しない方針を示唆)、Bバイデン米政権による親アフリカ政策への期待感など、南アランドの上昇を意識させる材料が増えつつあります(米早期テーパリング観測の再燃を通じて金融市場が不安定化した際も、南アランドは予想外に底堅さを堅持→ファンダメンタルズ面の強さを示唆)。
以上を踏まえ、当方では、南アランド円相場の続伸を来週のメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は5/27に発表される南ア4月卸売物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、南ア中銀による利上げ観測が一段と高まり、市場参加者に注目される2019年12月27日高値7.83円を突破する可能性もあるため、注意が必要でしょう。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.60ー7.90
南アフリカランド円日足
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