FOMC議事録要旨に注目、ドル安再開期待も(5/19夕)

19日の東京市場は、109円挟みの揉み合い。ドル安・円高リスクはうかがえるが、108円後半では取り敢えず底堅かった。

FOMC議事録要旨に注目、ドル安再開期待も(5/19夕)

FOMC議事録要旨に注目、ドル安再開期待も

〇ドル円、109円台を回復するも上値重たく日中高値109.05-10、16時現在109円前後で欧米市場を迎える
〇ユーロが対円やドルで堅調裡、ユーロ/円は本日年初来高値を更新、2018年4月以来の高値圏へ
〇ドル円13日に戻り高値109.78を示現後緩やかな右肩下がり、この傾向が本日以降も続くか注視
〇本日公表予定の米FOMC議事録の内容に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.60-109.50

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場は、109円挟みの揉み合い。ドル安・円高リスクはうかがえるが、108円後半では取り敢えず底堅かった。

ドル/円は108.85-90円で寄り付いたのち、108.80-85円へと小緩み、前日安値に面合わせしたがしっかりとは割り込めず。そののち109円台を回復するも上値も重く、日中高値は109.05-10円まで。結局、109円挟みで方向性の乏しい値動きをたどるなか、16時現在では109円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、動きの鈍いドル/円を尻目にユーロが対円やドルで堅調裡。なかでもユーロ/円は本日も年初来高値を更新する展開で、2018年4月以来の高値圏へ。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「国際情勢」について。
前者は、「台湾vs香港」といった構図が強まり、一時思惑を呼ぶ。キッカケとなったのは香港政府が在台湾の香港代表部の業務を一時的に停止する決定を下したことで、台湾当局は即座に遺憾の意を表明していた。そうしたなか中国外務省は、ワクチン提供目的めぐる「バイデン米大統領発言」に反論。「米国とは違い、中国はワクチンを使って世界に影響を与えたり、行動をともなわないむなしいスローガンを唱えたりしない」と強烈に皮肉っている。また、共同通信は中国の孔駐日大使が単独会見し、日米豪印による対中包囲網、通称「クアッド」について「冷戦思考で100%時代遅れ」と批判したと報じて話題を集めていた。

対して後者は、EUは臨時外相会議をオンライン形式で開き、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの交戦をめぐり協議している。ただハンガリーの反対もあり、意見の一本化は出来なかったという。一方、英BBCは「ロシア代表がイラン核合意交渉で重大な進展があったことを明らかにした」と報じ物議を醸すも、いまのところ具体的な内容ともいえる発表は特段なされていないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週13日にドルの戻り高値109.78円を示現後、緩やかな右肩下がり。時間足など短期のチャートを見ると、ドルは1週間程度で約1円という下降をたどっていることがうかがえる。そうした傾向が本日以降も続くのか否かが注視されていることは間違いなく、底堅さを醸している108.80-85円を下回れば、7日安値108.34円がターゲットになりそうだ。
引き続き広義の米ファンダメンタルズを注視。ただ、若干気になるのはここ最近発表される米経済指標はやや冴えないものが多くなっており、米景気の回復期待にも影を差している可能性も。米当局者らが出口戦略に慎重なのもむべなるかなと言えそうだ。なお、本日は後者の話と絡む、4月27-28日開催分の米FOMC議事録が公表される予定となっており、その内容には一応要注意。

テクニカルに見た場合、前述したようにドル/円はじり安を続けているが、それでも1週間で1円程度。大きく言えば108.30-109.80円といったレンジ内に依然としてとどまっている状況だ。本日もドルは続落し、レンジ下限の108.30円レベルをトライあるいは割り込んでいくのか、それとも底堅さを発揮してレンジ取引を続けるのか、ここ数日の動きが正念場と言えるだろう。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、米国で珍しくこれといった経済指標の発表がなく、やや手掛かり材料難の感も。ただ、前述した米FOMC議事録公表のほか、ロシア代表が明かしたとされる「イラン核合意交渉での重大な進展」発表などには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.50円。本日の東京高値を含む109.00-10円が最初の抵抗で、上抜ければ先週高値の109.78円も薄っすらと視界内には捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日欧米タイム以降、かなりの底堅さを感じさせる108.80円前後の攻防にまずは注目。近くに移動平均の21日線も位置しているなど、しっかり下回ることはなかなか難しいものがあるだろう。

FOMC議事録要旨に注目、ドル安再開期待も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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