ドル円、タカ派なFOMC議事要旨で急反発。米早期テーパリング観測が再燃
〇ドル円109円を挟んで乱高下
〇欧州時間に株価下落からのドル買いに109.33まで上昇の後、暗号資産の暴落で108.57まで急落
〇未明のFOMC議事要旨での一部のテーパリング議論開始必要の可能性を説く指摘に109円台を回復
〇ユーロドル4か月半ぶり高値1.2246から急反落、ECB関係者のユーロ高牽制、株下落、ドル急上昇が背景
〇ドル円テクニカルには地合いの強さ印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも米早期テーパリング観測再燃でドルが買われやすい
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:108.70ー109.70
海外時間のレビュー
19日(水)のドル円相場は乱高下。@欧米株の下げ幅拡大や、A上記@を背景としたリスク回避のドル買い再燃、B米長期金利の急上昇が支援材料となり、欧州時間午後にかけて、日通し高値109.33まで上昇しました。しかし、C中国の規制強化を巡る警戒感を背景に暗号資産市場が暴落すると、D今度は一転してリスク回避の円買い(クロス円売り→ドル円連れ安)が強まり、米国時間朝方には、一時108.57まで急落する場面も見られました。もっとも、一目均衡表基準線をバックに下げ渋ると、Eタカ派な米FOMC議事要旨を受けた米早期テーパリング観測の再燃(一部の参加者が資産買い入れペースの調整を巡る議論を開始することが適切になる可能性があると指摘→米長期金利上昇→米ドル高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6時10分現在)では、109.23近辺まで持ち直す動きとなっております。
19日(水)のユーロドル相場は高値圏から急反落。欧州時間朝方にかけて、一時約4ヵ月半ぶり高値となる1.2246まで上値を伸ばすも、@ECB当局者によるユーロ高牽制への警戒感が重石となると、A欧米株の下落を背景としたリスク回避のドル買い圧力や、Bタカ派な米FOMC議事要旨を受けた米長期金利の急上昇(米テーパリング観測再燃→米ドル高)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.2160まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時10分現在)では、1.2170近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時108.57まで下げ幅を広げるも、引けにかけて109円台前半へと反発しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けした他、下位足(60分足や240分足)で強い買いシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります(ポジション調整は一巡)。ファンダメンタルズ的に見ても、米FOMC議事要旨のタカ派的な内容を背景に、「米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高」の波及経路と、「米早期テーパリング観測再燃→欧米株安→資産現金化需要のドル買い」の波及経路の双方が意識されることから、ドル円相場には上昇圧力が加わり易い時間帯が続くと予想されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米4月景気先行指数に注目。市場予想を上回る好結果が示されれば、心理的節目110.00を試す可能性あり)。
本日の予想レンジ:108.70ー109.70
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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