トルコリラ円見通し 12.90円割れからの反騰続かず13.10円超えで戻り売りにつかまる(21/5/19)

17日午後に14日夜高値13.02円を上抜いたところから勢い付いて18日午前には13.14円まで高値を切り上げた。

トルコリラ円見通し 12.90円割れからの反騰続かず13.10円超えで戻り売りにつかまる(21/5/19)

12.90円割れからの反騰続かず13.10円超えで戻り売りにつかまる

〇トルコリラ円、18日深夜に12.98へ続落、19日午前は13円台を回復するも13.05以下の水準にとどまる
〇対ドルは18日夕刻に8.28まで上昇したが買われ過ぎ警戒となり失速、19日午前は8.35近辺で推移
〇3/30以降の戻り高値は4/15高値7.98、4/29高値8.11と三角持合いの抵抗線を形成
〇8.30台で推移中は抵抗線突破挑戦へ向かう可能性もあるが8.40台へ下げれば史上最安値挑戦の流れへ
〇13.10以下で推移中は一段安余地あり、12.95割れから12.90前後への下落を想定
〇13.10超えから18日午前高値13.14試しとし13.15超えから13.20を目指す上昇期入りへ

【概況】

トルコリラ円は5月14日夕刻安値12.83円から反騰に転じ、17日午後に14日夜高値13.02円を上抜いたところから勢い付いて18日午前には13.14円まで高値を切り上げた。しかしその後は新たな高値更新へ進めず、18日夜は13.10円を割り込んだところから戻り一巡による売り先行となって失速して深夜には12.98円へ続落、19日朝には12.97円まで安値を切り下げた。19日午前は13円台を回復しているが13.05円以下の水準にとどまっている。
5月17日の反騰は、トルコにおける感染抑制対策としてのロックダウンによる規制が17日から大幅に緩和されて日中の外出禁止令が解除されたことや1-4月期のトルコ財政収支が前年同期比で改善したことなどがきっかけとなったようだが、13円を割り込んで12.90円割れまで続落したところで売られ過ぎ警戒となって買い戻しに入った流れが勢い付いたということと思われる。しかし金融政策への不信感とインフレ進行を踏まえれば本格的な反騰へ発展する材料には欠けており、13.10円超えは戻し過ぎとして再び売られたという印象だ。

【対ドルでのリラ高も三角持ち合いの抵抗線到達で失速】

対ドルでのトルコリラは5月13日に8.51リラまで急落して4月26日安値を割り込み昨年11月6日の史上最安値8.57リラ以来の安値水準となっていたが、売られ過ぎ警戒感とドル全面安を背景に買い戻されて14日夜には8.36リラへ上昇、17日夕刻には8.28リラまで反騰した。小反発後に18日夕刻には8.28リラまで再び上昇したが8.20リラ台では買われ過ぎ警戒となってその後はやや失速気味となり19日午前序盤は8.35リラ近辺での推移となっている。

4月26日安値8.48リラを割り込んで5月13日に8.51リラへ安値を切り下げたものの昨年11月6日の8.57リラ割れへ向かうのは時期尚早として戻したが、リラ安基調が解消したとはいえずに上値が重くなった印象だ。3月30日以降の戻り高値は4月15日高値7.98リラ、4月29日高値8.11リラと切り下がって三角持ち合いの抵抗線を形成しており、5月18日高値もこの切り下がりの上値抵抗線に到達したところで抑えられている。8.30リラ台での推移中は抵抗線突破への挑戦へ向かう可能性も残るが、8.40リラ台へ下げてくる場合は5月13日安値割れ=三角持ち合い下放れによる史上最安値挑戦の流れへ進みやすいところと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、5月12日午後の戻り高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、13円台回復からは強気転換としていたが、17日の急伸により18日午前時点では14日朝安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。またトップ形成期は17日午後から19日午後にかけての間と想定されるので既に反落注意期にあるとし、13円台を維持するうちは5月10日高値試しへ向かう可能性ありとし、13.00円割れからは弱気サイクル入りとした。

5月18日深夜への下落で13円を割り込んだため18日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は19日の日中から21日夜にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるため、13.10円台を回復できないうちは一段安余地ありとし、13.10円超えからは強気転換注意とし、18日高値13.14円超えからは新たな強気サイクル入りとして21日午前から25日午前にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では18日夜の下落で遅行スパンが悪化したが、先行スパンからの転落は回避している。遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパン転落からは下げ足が早まるとみるが、先行スパンを突破するところからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は18日夜からの下落で30ポイント台へ低下したが、その後はやや持ち直している。50ポイントに届かないか一時的に超えても維持できないうちは30ポイント以下への一段安余地ありとするが、60ポイントへ戻してその後も50ポイント以上での推移に入る場合は上昇再開とみて70ポイント台を目指す流れと考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。

(1)当初、12.95円を下値支持線、13.10円を上値抵抗線とする。
(2)13.10円以下での推移中は一段安余地ありとし、12.95円割れからは12.90円前後への下落を想定する。12.90円以下は反騰注意とするが、13.05円以下での推移なら20日も安値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)13.10円手前は戻り売りも出やすいとみるが、13.10円超えからは18日午前高値13.14円試しとし、13.15円超えからは13.20円を目指す上昇期入りと考える。13.18円以上は反落警戒だが13.10円以上を維持しての推移なら20日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

5月19日
 トルコ休場、青年とスポーツの日
5月20日
 19:30 4月 自動車生産 前年同月比 (3月 19.4%)
5月21日
 16:00 5月 消費者信頼感指数 (4月 80.2)
 20:30 週次 外貨準備高 5/14時点 (5/7時点 488.6億ドル)
5月24日
 17:00 4月 観光客数 前年比 (3月 26.07%)
5月25日
 16:00 5月 製造業景況観指数 (4月 111.0)
 16:00 5月 設備稼働率 (4月 75.9%)
5月27日
 20:30 週次 外貨準備高 5/21時点
5月28日
 16:00 4月 貿易収支 (3月 -46.5億ドル)
 16:00 5月 経済信頼感指数 (4月 93.9)


注:ポイント要約は編集部

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