南アランド週報:『上昇基調継続も米インフレ高進が波乱要素。反落リスクに要警戒』(5/15朝)

南アフリカランド円相場は昨年4/24に記録した安値5.60円をボトムに反発に転じると、その後約1年以上にわたって上昇トレンドが続いております。

南アランド週報:『上昇基調継続も米インフレ高進が波乱要素。反落リスクに要警戒』(5/15朝)

上昇基調継続も米インフレ高進が波乱要素。反落リスクに要警戒

〇南ア円格付け引き下げ回避、指標改善に週央1年5か月ぶり高値7.81まで上昇
〇その後は米インフレ懸念によるリスクオフ相場に7.73まで反落して越週
〇南ア円1年以上上昇トレンド継続、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズも南ア買い要因多い
〇但し、短期スパンではポジション調整とリスクオフ相場による反落リスク要警戒
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.85

今週のレビュー(5/10−5/14)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.72円で寄り付いた後、@米早期テーパリング観測の後退(米雇用統計の低調な結果→米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→株高→リスクオン)や、A大手格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる南アフリカのソブリン格付けの維持(一部で更なる格下げを見込む向きもあったことから、初期反応は安堵のランド買い)、B南ア3月製造業生産(結果+3.4%、予想+0.8%、※前月比)の力強い結果が支援材料となり、週央にかけて、約1年5カ月ぶり高値となる7.81円まで上昇しました。しかし、2019年12月27日に記録した直近高値7.83円をバックに伸び悩むと、C米インフレ懸念の高まりを背景とした米早期テーパリング観測の再燃や、D上記Cを背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(米長期金利急上昇→米ドル高→リスクアセット下落→リスクオフ再燃)が重石となり、結局7.73円前後まで反落しての越週となっております。

来週の見通し(5/17−5/21)

南アフリカランド円相場は昨年4/24に記録した安値5.60円をボトムに反発に転じると、その後約1年以上にわたって上昇トレンドが続いております(週央にかけて約1年5ヵ月ぶり高値となる7.81円を記録)。この間、主要チャートポイント(短中長期移動平均線+一目均衡表基準線・転換線)を軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダー、ダウ理論における上昇トレンド・パターンも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の回復期待や、A南アフリカ中銀による利上げ再開の思惑(直近で発表されたCPI、PPIは共に市場予想を上回る結果)、Bバイデン米政権による親アフリカ政策への期待感など、南アランドの上昇を意識させる材料が増えつつあります。

但し、来週1週間という短いスパンで見た場合、@テクニカル面では2019年12月27日に記録した直近高値7.83円をバックにひとまず戻り売りが強まる可能性が想定される他、Aファンダメンタルズ面でも米インフレ懸念を背景に米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇・ドル高→過剰流動性相場逆流リスク→新興国から米国への資本流出活発化といった波及経路が想定されることなどから、短期的には反落リスクに警戒が必要と考えられます(やや大きめのポジション調整が発生する恐れあり)。

以上を踏まえ、当方では、南アランド円相場の下落を来週のメインシナリオとして予想いたします(尚、来週は5/19に発表される南ア4月消費者物価指数、南ア3月小売売上高、5/20の南ア中銀政策金利発表など重要イベント目白押しの1週間となります。この為、イベント前のポジション調整にも注意が必要でしょう=週前半のダウンサイドリスクに警戒)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.85

注:ポイント要約は編集部

上昇基調継続も米インフレ高進が波乱要素。反落リスクに要警戒

南アランド円日足

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