トルコリラ週報:『リスクオフ再燃で約3週間ぶり安値圏へ急落。リラ売り基調継続か』(5/15朝)

トルコリラの対円相場は、4/29に記録した直近高値13.41円をトップに反落に転じると、週後半にかけて、約3週間ぶり安値となる12.85円まで下落しました。

トルコリラ週報:『リスクオフ再燃で約3週間ぶり安値圏へ急落。リラ売り基調継続か』(5/15朝)

リスクオフ再燃で約3週間ぶり安値圏へ急落。リラ売り基調継続か

〇今週のトルコ円週明け早々に13.24まで上昇
〇その後は連休前ポジション調整、米インフレ懸念からのリスクオフ相場に12.85まで下落、12.93で越週
〇トルコ円テクニカルの地合い弱く、ファンダメンタルズもトルコ売り材料多い
〇トルコ円軟調推移がメインシナリオ、来週の予想レンジ(TRYJPY):12.60ー13.20

今週のレビュー(5/10−5/14)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初13.17円で寄り付いた後、@米早期テーパリング観測の後退(低調な米雇用統計→米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→株高→リスクオン)や、Aトルコ3月失業率の前月比改善(結果13.1%、前回13.4%)が支援材料となり、週明け早々に週間高値13.24円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、Bトルコの大型連休・砂糖祭(5/13ー5/15)を控えたポジション調整や、C米インフレ懸念の高まりを背景とした米早期テーパリング観測の再燃、D上記Cに伴う過剰流動性相場の逆流リスク(米長期金利急上昇→米ドル高→リスクアセット下落→リスクオフ再燃)が重石となり、週後半にかけて、4/26以来、約3週間ぶり安値となる12.85円まで下落しました(対ドルでは年初来安値更新。11/6に記録した史上最安値が射程圏内)。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、結局12.93円前後での越週となっております。

来週の見通し(5/17−5/21)

トルコリラの対円相場は、4/29に記録した直近高値13.41円をトップに反落に転じると、週後半にかけて、約3週間ぶり安値となる12.85円まで下落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(4/26に記録した年初来安値12.69円が射程圏内)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ国内におけるインフレ圧力の高まり(先週発表されたインフレ指標は軒並み上昇。エルドアン大統領の圧力でトルコ中銀は利上げカードを切りづらいことが想定される為、インフレ圧力の高進は実質金利の低下を通じてトルコリラ売りで反応しやすい)や、Aトルコ中銀による根強い利下げ圧力(先週発表されたトルコ中銀金融政策決定会合で前回まで盛り込まれていた「金融引き締めスタンスを維持する」との文言が削除)、B対米関係の悪化懸念(バイデン米政権によるジェノサイド認定)、C金融市場に広がる過剰流動性相場の逆流リスク(米早期テーパリング観測再燃→リスクアセットへの下押し圧力→トルコなど新興国からの資本流出リスク)、Dパレスチナ情勢を巡る地政学的リスクなど、トルコリラ売りを想起させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(来週はトルコ国内の経済イベントに乏しい中、米長期金利や米主要株価指数を睨みながらの神経質な展開を想定。米長期金利が一段と上昇すれば、米ドル高を通じて、トルコ金融市場からの資本流出圧力が強まる恐れあり)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.60ー13.20

注:ポイント要約は編集部

リスクオフ再燃で約3週間ぶり安値圏へ急落。リラ売り基調継続か

トルコリラ円日足

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