ドル円 基本はレンジ予想だが、米株などが波乱要因(5/12夕)

12日の東京市場は、ドルが小高い。ただ本日も一時109円へと接近したが、結局とどかなかった。

ドル円 基本はレンジ予想だが、米株などが波乱要因(5/12夕)

基本はレンジ予想だが、米株などが波乱要因

〇ドル円、緩やかな右肩上がりで一時108.90を示現、強保ち合いの様相になり16時現在108.80前後で推移
〇米当局者からインフレや金融政策についての発言があり、米長期金利上昇するなどした為情勢に要注意
〇数日間の相場は日米を中心とした株価が荒れ模様となり、米金利の動きも波乱要因となっているか
〇本日発表の米4月消費者物価指数を注視、予想値以上の伸びを示した場合は波乱含みの可能性も
〇ドル/円は21日移動平均線に絡む動き、108.35-109.05をめぐる攻防が注視されるか
〇上抜ければ今月高値109.69が、割り込めば4月安値107.48がターゲットに
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.30-109.20

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場は、ドルが小高い。ただ本日も一時109円へと接近したが、結局とどかなかった。

ドル/円は寄り付いた108.60円前後を日中安値にドルが小高い。荒れ模様となった日米株価の動きに一喜一憂しつつも、基本的には緩やかな右肩上がりをたどり、108.90円レベルを一時示現している。しかし、109円を超えられなかったことで、途中からは強保ち合いの様相に。108.75-90円といったレンジ取引となるなか、16時現在では108.80円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政治・国際情勢」と「米ファンダメンタルズと金融政策」について。
前者は、6月上旬に開かれる安全保障会議に出席するため菅首相がシンガポールを訪問する意向と伝えられたうえ、同行する岸防衛相はシンガポールでオースティン米国防長官と会談する調整に入ったと報じられていた。また、それとは別に政府は「6月2日にワクチン・サミットを国際組織と共催する」と発表している。こちらは菅首相と茂木外相が出席するという。さらに、菅首相がベトナム国家主席と電話会談を行ったほか、12日に東京で開かれる日米韓3ヵ国の情報機関トップ協議に出席するため来日した米韓トップと、日本の瀧澤内閣情報官や北村国家安全保障局長との個別の2国間協議が観測されていた。

対して後者は、昨日NY時間に米当局者から関連発言が相次ぐ。例えば、ブレイナードFRB理事は「インフレが続くリスクに注意が必要」、アトランタ連銀総裁「米国の金融緩和政策は適切」、フィラデルフィア連銀総裁「今年のインフレ率は2.3%見込む」、セントルイス連銀総裁「パンデミックのなかでは政策変更を行いたくない」−−などとなる。そうした一連の発言もあり、昨日は米長期金利も上値を伸ばし、米株市場を不安定にさせた一因などと指摘されていた。本日も情勢には要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日NYに一時ドル安が進行、ドル/円は108.35円まで下落したものの、先週末7日、米雇用統計発表後の安値に面合わせしただけにとどまった。ドルの目先下値を再確認しただけと言えるかもしれない。ともかく、ドル/円は目先的に108.35-109.05円といった70ポイント程度のレンジを形成しており、明確な方向性は乏しい状況だ。次なる一手、レンジ放れの方向性などが注視されている。
材料的には幾つか気になる要因があるものの、ここ数日の相場はというと日米を中心とした株価が荒れ模様の値動きをたどっているうえ、米金利の動きも波乱要因となっている。本日もまずはそれらの動きに注目だ。また、米株や金利相場に影響を与えかねないものとして、発表される4月の米消費者物価指数を警戒する向きも少なくない。予想値以上の伸びを示した場合には波乱含み、などといった声も聞かれている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は移動平均の21日線に絡む動き。また一目均衡表では、若干の厚みのある先行帯の雲の中に日足が完全に埋没するなど、短期的な方向性は完全に喪失しているようだ。まずは前述した短期のレンジ、108.35-109.05円をめぐる攻防が注視されており、上抜ければ今月高値の109.69円、逆に割り込んでくれば4月安値107.48円がターゲットに。

一方、本日の新規材料としては、発表される4月の米消費者物価指数にまずは注目。また、昨日同様に米通貨当局者らによる講演など発言機会も多く、本日も要人コメントにはしっかりとした注意を払いたいところだ。それとは別に米財務省による10年債の入札なども実施される見込みとなっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.20円。今週に入って以降、強い抵抗として寄与している感のある109円前後の攻防にまずは注視。上抜ければ、米雇用統計発表前に推移していた109.20-30円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日と先週、直近だけで2度下げ止まった108.35円レベルがかなり強いサポートか。その手前、108.50-60円も弱いサポートとして認識されている。

基本はレンジ予想だが、米株などが波乱要因

ドル円日足

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