ユーロドル やや上値が重い横ばいか(週報4月第4週)

先週は欧州の経済指標ではPMIが注目を集めた格好となりましたが、今週は主要国の消費者信頼感と1〜3月期GDP速報値が注目を集めることとなります。

ユーロドル やや上値が重い横ばいか(週報4月第4週)

やや上値が重い横ばいか

〇先週のユーロドル、金曜NY引け間際に週間高値1.2100レベルと高値を更新、3/3以来の高値に
〇週初はドル安の動きに支えられユーロ買い、週半ばはECB理事会を前にもみあいに
〇金曜は米金利低下と欧州主要国のPMIをみてユーロ買いが進んだ一週間に
〇今週発表される主要国の消費者信頼感と1-3月期GDP速報値に注目
〇消費者信頼感が予想より強ければユーロ買いに、弱ければユーロ売りか
〇今週のFOMCでテーパリングの検討か、米の緩和縮小と欧の緩和継続の差でユーロ売りとなる可能性
〇今週は1.2050レベルをサポートに1.2150レベルをレジスタンスとする流れとみる

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、週初はドル円同様に全体的なドル安の動きに支えられてのユーロ買い、週半ばはECB理事会を前にもみあい、理事会ではユーロの水準に対する言及も無かったことから、翌金曜は米金利低下と強い欧州主要国のPMIを背景にユーロ買いが進んでの一週間となりました。金曜はNY引け間際に1.2100レベルの高値と3月3日以来の高値となり、チャート的には2か月かけての行って来いといった動きとなっています。

先週は欧州の経済指標ではPMIが注目を集めた格好となりましたが、今週は主要国の消費者信頼感と1〜3月期GDP速報値が注目を集めることとなります。GDPは1〜3月期ということで新型コロナの感染者増によるロックダウンもあり、軒並みマイナス良くてゼロ成長といったところですし発表も金曜欧州市場です。それよりも水曜木曜に発表される直近の消費者信頼感のほうが影響はありそうです。こちらも予想はあまり良くはないのですが、先週のPMI同様に予想よりも強いとなるとユーロ買いの材料となるでしょうし、弱ければユーロ売りとなるでしょう。

そして、先週のECB理事会では欧州の緊急プログラムによる債券購入を加速させる動きは今後も継続するという内容でしたが、今週のFOMCではカナダに続いてテーパリングの検討が行われるか、あるいは次回6月FOMC以降で検討するかといった話は出てきそうです。内容にもよりますが、米国の緩和縮小方向と欧州の緩和継続方向との差によって、こちらはユーロ売り材料とされる可能性もありそうです。

テクニカルには暴騰にも書いた通りで3月初めの水準に戻していますが、4月は米金利低下の動きによってユーロドルは一方的にユーロ買い(ドル売り)の動きを見せ、ややユーロ買いのペースが速いという印象です。日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

年初来高値、安値とその半値を赤い水平線で示してありますが、この半値の水準は昨年12月に上昇して以降何度か押して止められた水準とも重なり、既に上抜けしてはいるもののいったん踊り場を形成してもおかしくない水準でもあります。また現在の水準は高値と安値の61.8%(赤のターゲット)戻しも既に達成したことも、そろそろ値ごろ感が出て来てもおかしくはないと考える参加者が増えそうです。

4月に入ってからの全体的なドル安の流れ自体には変化は無いとしても、ここからの一段高はペースが鈍りやすいというイメージです。今週は1.2050レベルをサポートに1.2150レベルをレジスタンスとする流れを見ておきますが、動きが出るとするとFOMC後のユーロ売りに警戒したいと思います。

今週のコラム

今週はユーロポンドの日足チャートを見てみましょう。

今週のコラム

ユーロポンドは昨年12月以降ほぼ一貫した下降トレンドとなっていましたが、4月初めにそれまでのレジスタンスライン(青)を上抜け上昇に転じたことは以前ここでも扱いました。

その後も順調に上昇し4月は上昇ウェッジ(ピンク)の中での動きとなり、4月安値から上昇N波動によるターゲットを検討する段階になってきました。フィボナッチ・エクスパンションで計算すると近いところでは61.8%エクスパンションの0.8740がありますが、あまりに近く、次のターゲットとなる78.6%(61.8%の平方根)エクスパンションの0.8782(強調表示)が視野に入ってきたと見てよさそうです。

ユーロが上値が重くなる動きを考えるとポンドは更に上値が重くなる流れではないかと個人的にはシナリオを考えていますが、どうなるでしょうか。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

4月26日(月)
17:00 ドイツ4月ifo企業景況感

4月27日(火)
 (特になし)

4月28日(水)
15:00 ドイツ5月消費者信頼感
15:45 フランス4月消費者信頼感
21:45 シュナーベルECB理事講演
27:00 FOMC結果公表

4月29日(木)
16:55 ドイツ4月失業率
18:00 ユーロ圏4月消費者信頼感
21:00 ドイツ4月CPI速報値

4月30日(金)
14:30 フランス1〜3月期GDP速報値
15:45 フランス4月CPI速報値
15:45 フランス3月PPI
17:00 ドイツ1〜3月期GDP速報値
18:00 ユーロ圏1〜3月期GDP速報値
18:00 ユーロ圏4月CPI速報値
18:00 ユーロ圏3月失業率

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

4月19日(月)
ユーロドルは東京市場ではユーロ円の下げから朝方は上値が重くなっていましたが、仲値過ぎには反転、欧州市場序盤には朝方の高値、先週高値と次々と上抜け、ストップオーダーを巻き込みながら大きく上昇しました。ECB理事会を前に油断していた様子でNY市場では1.2048レベルまで高値を切り上げ、その後やや押しての引けとなりました。

4月20日(火)
ユーロドルは東京前場、欧州市場序盤とユーロ円の買いが支えとなって1.2080レベルの高値を付けましたが、ユーロ円がドル円とともに株安の影響を受け売られる動きによって東京の安値を割り込み1.2023レベルへと押し、安値圏での引けとなりました。

4月21日(水)
ユーロドルは東京市場では動かず欧州市場序盤に米金利がやや上昇した動きに沿ってドル買い・ユーロ売りとなったもの下げきれず、NY市場前場には東京市場の水準に戻すと木曜のECB理事会を前に動意薄のままで1日を終わりました。

4月22日(木)
ユーロドルはECB理事会を前に上下しながらもややユーロ買いが目立っていました。ECB理事会は想定範囲内の内容に留まり為替の水準に対する言及も無かったことから直後には1.2070レベルの高値をつけました。しかしNY後場に入りバイデン大統領が富裕層を対象としたキャピタルゲイン課税を提案すると米株が下落、ユーロドルもそれに沿って下落、引けにかけては1.1994レベルまで下押しした後にやや戻して引けました。

4月23日(金)
ユーロドルは東京市場では全体的なドル売りの流れから底堅い展開が続いていましたが、欧州市場に入り発表された主要国のPMIが強かったことからユーロ買いが強まりました。その後米国PMIも強かったことから一時的にドル買いとはなったものの、ユーロ買いの動きが根強くNY後場に入ってからは週間高値を更新し、1.2100を見て高値圏での引けとなりました。

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