緩やかなドル安継続か、ECB理事会に注目(4/22夕)

22日の東京市場はレンジ取引。30ポイント程度という狭い値動きのなか、夕方になりパターン通り「前日安値をわずかながら更新」している。

緩やかなドル安継続か、ECB理事会に注目(4/22夕)

緩やかなドル安継続か、ECB理事会に注目

〇本日のドル円、30ポイント程度の狭い値動きで前日安値をわずかに更新
〇新型コロナ第4波、菅首相が23日にも「緊急事態宣言」を決定する見込み
〇IOCバッハ会長「緊急事態宣言は政府の全体的な方針に沿ったもので、東京五輪とは無関係」
〇豪外相が同国ビクトリア州と中国の契約を撤回する旨を明らかにする
〇本日はECBによる政策金利公表とラガルド総裁の記者会見に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.30-108.30

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はレンジ取引。30ポイント程度という狭い値動きのなか、夕方になりパターン通り「前日安値をわずかながら更新」している。

ドル/円は108.05円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。108円挟み、107.90-108.15円といったレンジ取引で、目立った方向性はうかがえなかった。ここ数日、連日のように続いていた前日安値(107.87円)更新が失敗に終わりそうな気配が濃厚になるなか、最終盤になり107.85円レベルへと小緩み、わずか数銭だが直近安値を更新。なんとかパターンを死守すると、16時現在では107.85-90円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「露・ウクライナ情勢」について。
前者は、第4波とされる世界的な新型コロナの感染拡大が止まらない。そうしたなか、日本は菅首相が23日にも「緊急事態宣言」を決定する見込みとされるほか、米国務省は自国民向け海外渡航情報を更新し、もっとも高いレベル4の「渡航中止」対象国が約150ヵ国にものぼったことを明らかにしている。なお、日本国民としては前述したような環境下、今夏の東京オリンピック・パラリンピックが本当に開催できるのか気になるところだが、IOCのバッハ会長は「緊急事態宣言は政府の全体的な方針に沿ったもので、東京五輪とは無関係」との認識を示していた。

対して後者は、中国の「一帯一路」と関連し、豪外相が同国ビクトリア州と中国の契約を撤回する旨を明らかにし一部で話題に。また、米国では上院外交委において「中国対抗法案」ともいわれる「2021年の戦略的競争法」が賛成多数で可決、さらに米政府系機関の国際宗教自由委がバイデン政権に「2022年北京五輪への政府関係者不参加を提言した」と報じられている。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、ドル/円は土壇場で連日の直近安値更新。ただ、前日安値を下回ったといっても、本日はわずか数銭に過ぎず、逆にドルの下値は予想以上に堅いことを示したと言えるかもしれない。ただ、年初来安値102.60円を起点としたフィボナッチのサポート107.75-80円を下回れば、もう少しドル安が進行するといった見方をするドルベア派の声も聞かれていた。
材料的には、発表される米経済指標やECBによる政策金利公表などに要注意。それ以外でも、22-23日に実施される「気候サミット」にも注意を払いたい。また、個人的には新型コロナによるロックダウンなどのダメージが大きい業界としてしられる航空会社、そのなかからアメリカン航空、サウスウエスト航空などが決算を発表することで、その内容を大いに注視している。

テクニカルに見た場合、わずか数銭とは言えドル/円は連日の直近安値更新で、リスクという意味では引き続き下方向にバイアス。107.75-80円というフィボナッチサポートが間近に迫っており、まずはその攻防に要注意だ。近いレベルには一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置している。割り込めば、さらなる深押しも見込まれており、107円割れに向けた続落も否定できないようだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、週間ベースの新規失業保険申請件数や4月のカンザスシティ連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、先で指摘した米航空会社を中心とした決算発表などに要注意。また、欧州ファクターとしてはECBによる政策金利公表とラガルド総裁の記者会見に注目。とくにPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)について、警戒を抱く向きが多いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.30-108.30円。ドルの上値が少しずつ切り下がっており、まずは本日東京高値である108.15円レベルが最初の抵抗か。超えても108.30円レベル、108円半ばなど抵抗は多い。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の107.85円レベル、そして107.75-80円がサポートとして意識されている。割り込めば107円前半、ややオーバーシュートすれば106円台も!?

緩やかなドル安継続か、ECB理事会に注目

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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