南アランド週報:『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急伸。来週はCPIがメインイベント』(4/17朝)

南アフリカランド円相場は昨年4/23に記録した安値5.60円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、約1年3ヵ月ぶり高値となる7.68円まで急伸しました。

南アランド週報:『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急伸。来週はCPIがメインイベント』(4/17朝)

『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急伸。来週はCPIがメインイベント』

〇南ア円現地指標改善、中銀タカ派発言で7.68まで上昇
〇テクニカルには地合いの強さ印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも南ア経済回復期待させる材料増える
〇南ア円堅調推移がメインシナリオ
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75

今週のレビュー(4/12−4/16)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.51円で寄り付いた後、@米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナワクチン接種停止報道や、A南ア経済の先行き不透明感、B米中対立激化懸念が重石となり、翌4/13にかけて、安値7.45円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線や21日移動平均線に下支えされると、C南ア2月小売売上高(結果+2.3%、予想▲1.8%、前回▲3.7%)の力強い結果や、D同国の主要輸出品であるプラチナ価格の急上昇、E南アフリカ準備銀行(SARB)による「水道・電気料金がインフレ予測の上方リスクを示している」「中期的にCPIが上昇すると、徐々に高い金利につながる」とのタカ派的な発言が支援材料となり、週後半にかけて、昨年1/10以来、約1年3ヵ月ぶり高値となる7.68円まで急伸しました。もっとも、買い一巡後は、Fクガニャゴ総裁による「インフレが抑制されている限り、南ア中銀が金融緩和を解除する理由はない」とのハト派的な発言(上記Eの火消し)が重石となり、結局7.60円前後まで値を崩しての越週となっております。

来週の見通し(4/19−4/23)

南アフリカランド円相場は昨年4/23に記録した安値5.60円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、約1年3ヵ月ぶり高値となる7.68円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(今週は週足ベースで200MAを一時突破→同水準を巡る攻防に注目)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米早期テーパリング観測の後退(米長期金利低下→ドル安→商品市況上昇→プラチナ価格上昇→南アランド上昇)や、Aグローバルなリスク選好ムード(株式市場の堅調推移→新興国通貨上昇)、B南ア経済の回復期待、C南ア中銀の根強い利上げ観測など、南アランドの上昇を意識させる材料が増えつつあります。

以上の通り、南アランド円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも、更なる上昇が期待されます。米長期金利や株式市場の動向、商品市況の値動き(プラチナ価格)、米中対立に関するヘッドライン、新型コロナウイルスの感染拡大状況、南アフリカの主要経済指標(4/21の南ア3月消費者物価指数)を睨みながらも、当方では引き続き、南アランド円相場の堅調推移をメインシナリオとして予想いたします(来週は南アCPIがメインイベント。前回はインフレターゲットの下限を下回ったことで南アランド売りに繋がりましたが、今回の発表で3%を上抜けられれば、追加利上げ観測再燃→南アランド買いに波及する可能性もあり要注意)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75

注:ポイント要約は編集部

『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ急伸。来週はCPIがメインイベント』

南アランド円日足

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