ドル円は足もとレンジの様相、基本小動きか(4/12夕)

週明け12日の東京市場はレンジ取引。30ポイントほどと狭いなかでの一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル円は足もとレンジの様相、基本小動きか(4/12夕)

ドル円は足もとレンジの様相、基本小動きか

〇ドル円、109.65前後で寄り付いた後に株価や金利の動きに左右されるも積極的な動意なし
〇日経平均株価は終値ベース229円安、NYダウや米株先物3指数とも弱含みとなるが為替市場への影響少
〇イラン核合意協議が今週再開される見通し、核施設で遠心分離機を作動や電気系統の問題が生じたと報道
〇クラリダFRB副議長が来年も物価上昇なら政策運営に考慮必要と発言、利上げ前倒しの可能性も
〇北朝鮮やイラン情勢、米中のやり取り、週末には日米首脳会談など国際情勢にも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.10-110.00

<< 東京市場の動き >>

週明け12日の東京市場はレンジ取引。30ポイントほどと狭いなかでの一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

先週末、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは再び6万ドル台を示現。史上最高値を視界内に捉えた動きをたどったほか、北朝鮮やイランで不穏な行動が観測されたとの報道もあり、物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は109.65円前後で寄り付いたものの、株価や金利の動きに一喜一憂しつつも、積極的な動意はなし。オープンレベルを中心とした、トータル30ポイントほどのレンジ取引に終始している。日経平均株価が終値ベースで229円安、時間外で取引されているNYダウなど米株先物3指数とも弱含みとなったが、為替市場への影響は軽微だった。16時現在は109.55-60円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン核合意協議」と「米ファンダメンタルズ」について。
前者は、先週6、7、9日と断続的に実施されていた協議が土日を挟み今週再開される見通しと報じられていた。これそのものはポジティブな要因だが、AFP通信が「イラン、中部ナタンツの核施設で新たに遠心分離機を作動」などと水を差すような内容を報じ、一部で話題に。またイラン国内メディアは、前述核施設で「電気系統の問題が発生した」と報じたうえで、サレヒ原子力庁長官が「テロ」との見方を示したと指摘、今後に禍根を残しそうな雰囲気も取り沙汰されている。

対して後者は、週末に報じられたFRB正副議長発言が思惑を呼ぶ。具体的には、CBSが報じたパウエルFRB議長のコメントが「米経済、ワクチン接種と強力な政策支援を受けて成長や雇用が先行き一段と力強くなる『変曲点』にある」。またブルームバーグはクラリダFRB副議長がインタビューに応じ「来年も物価上昇継続なら政策運営に考慮が必要」と述べたと指摘していた。ともに強気の内容で、とくに後者は利上げ前倒しの可能性を示唆したものともいえそう。続報などには要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円について、先週7日以降の時間足など短期チャートを改めて振り返ると、乱高下はあるものの値動きは109円台だけ。つまり、1円レンジのなかに、いまだとどまっており、短期的には方向性を欠いている感を否めない。目先はドル高方向への動きが再燃するのか否か、といった次の方向性をめぐる動き、レンジ放れの有無に注目だ。
今週は週間を通してなかなか重要な材料が少なくないのだが、週初の本日に限るとやや材料不足も感も。ただ、北朝鮮やイラン情勢でキナ臭い動きが観測されているだけでなく、米中間のバチバチとしたやり合いも依然続いている。週末に日米首脳会談などを控えるなか、今週も広義の国際情勢にはしっかりと注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週8日、一時109円ちょうどまで下落したものの、以降下げ止まり。結果として、足もとは109-110円という1円レンジのなかにとどまり、価格ではなく時間調整をたどっている感がある。短期的には、その109円台を如何に放れていくのかが注視されそうで、上放れた場合には110.97円の年初来高値が視界内に捉えられる反面、下放れればまずは108.40円レベルがターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、とくに目立った米経済指標の発表などは予定されていない。ただ、それでも米財務省による10年債などの入札や、ローゼングレン・ボストン連銀総裁による講演などが実施される見込みだ。それらには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00円。上方向は、先週末に示現した戻り高値の109.96円が抵抗か。超えると110円半ば、110.97円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の109.45-50円をめぐる攻防に注目。下回れば先週安値の109円ちょうどがターゲットに。

ドル円は足もとレンジの様相、基本小動きか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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