ドル円、上値の重い展開が継続。本日は米消費者物価指数がメインイベント
〇ドル円米中対立激化懸念、株価下落で109.25まで下落後、米長期金利上昇で小幅反発
〇ユーロドル欧州圏でのコロナウイルス感染拡大、欧州株軟調に1.1871まで下落、指標改善で1.19台回復
〇ドル円4営業日連続で110.00を前にした足踏み続き、上値重い
〇テクニカルにも転換線基準線下抜け、短期ダウンサイドリスク強まる
〇ファンダメンタルズも米中対立激化、コロナ拡大、株価軟調等リスク回避の円買い要因増加
〇ドル円下落がメインシナリオ、本日は米CPI、要人発言に注目
〇本日の予想レンジ:108.90ー109.70
海外時間のレビュー
週明け12日(月)の外国為替市場でドル円は下落。公表相場決定にかけて、日通し高値109.78まで上値を伸ばすも、先週末金曜日に記録した高値109.96や、一目均衡表転換線109.98、心理的節目110.00をバックに伸び悩む(戻り売りが強まる)と、@ブリンケン米国務長官による台湾問題に対する中国への警告(米中対立激化懸念)や、A株式市場の下落を受けたリスク回避の円買い圧力、B米長期金利低下を背景としたドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、日通し安値109.25まで下落しました。
しかし、4/8に記録した直近安値109.00をバックに押し目買いが広がると、C冴えない米10年債入札結果を受けた米長期金利の上昇が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、109.40近辺まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はセントルイス連銀ブラード総裁(金融政策変更についての議論は時期尚早)、ボストン連銀ローゼングレン総裁(現在の非常に緩和的な金融政策は適切)よりハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け12日(月)の外国為替市場でユーロドルは下落後に反発。@欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大(ドイツはロックダウンを3週間延長)や、A欧州経済の先行き不透明感、B欧州株の軟調推移が重石となり、欧州時間朝方にかけて、日通し安値1.1871まで下落しました。しかし、4/8に記録した直近安値1.1861をバックに下げ渋ると、Cユーロ圏2月小売売上高(結果3.0%、予想1.7%、前回▲5.2%、前月比)の良好な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、日通し高値1.1920まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1910近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時109.25まで下落するなど、上値の重い展開が続いております(4営業日連続で心理的節目110.00を回復できず。4/7高値109.96、4/8高値109.91、4/9高値109.96、4/12高値109.78)。ローソク足が一目均衡表転換線および基準線を下抜けした他、下位足(60分足や240分足)で売りシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、短期的なダウンサイドリスクが警戒されます。ファンダメンタルズ的に見ても、米中対立激化リスクや、新型コロナウイルスの感染再拡大、株式市場の軟調推移など、リスク回避の円買いを連想させる材料が増えつつあります(円ショートの更なる巻き戻しに警戒)。
以上を踏まえ、当方では引き続きドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(本日は日本時間21時30分に発表される米3月消費者物価指数に注目。パウエルFRB議長をはじめ米金融政策当局者は「インフレ加速は一時的」との見解を示している為、仮にインフレ加速が示された場合であっても、米早期テーパリング観測再燃に伴うドル高というよりは、米実質金利低下に伴うドル売りで反応する可能性が高いと考えられます。その他、今晩は明日午前1時に予定されているフィラデルフィア連銀ハーカー総裁や、サンフランシスコ連銀デイリー総裁、午前5時のクリーブランド連銀メスター総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、ボストン連銀ローゼングレン総裁などの要人発言にも注目)。
本日の予想レンジ:108.90ー109.70
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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