トルコリラ週報:『利下げか据え置きか?トルコ中銀の政策金利発表に注目』(4/10朝)

トルコ中銀による利下げ観測を背景にトルコリラを買いづらい状況が生まれております

トルコリラ週報:『利下げか据え置きか?トルコ中銀の政策金利発表に注目』(4/10朝)

利下げか据え置きか?トルコ中銀の政策金利発表に注目

〇今週のトルコリラ円トルコ3月CPIの上昇による実質金利低下、大統領の利下げ圧力に13.35まで下落
〇トルコ円テクニカルの地合い弱く、利上げを伴わないインフレ上昇等ファンダメンタルズも弱い
〇トルコリラ円下落がメインシナリオ、4/15トルコ中銀金融政策決定会合要注視
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):12.80ー13.80

今週のレビュー(4/5−4/9)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初13.55円で寄り付いた後、早々に週間高値13.65円まで上昇しました。しかし、@トルコ3月消費者物価指数(結果+16.19%、予想+16.11%、前回+15.61%)の更なる上昇や、A上記@を背景とした実質金利の低下、Bエルドアン大統領による「政策金利は1桁台まで下がるだろう」「1桁台まで引き下げることに注力する」との発言(トルコ中銀への利下げ圧力)が重石となると、週央にかけて、一時13.35円まで下落しました。週末にかけて小反発するも上値は重く、結局13.42円前後での越週となっております。

来週の見通し(4/12−4/16)

トルコリラの対円相場は、アーバル総裁解任前の3/19に記録した高値15.14円をトップに反落に転じると、3/30にかけて、約3ヶ月半ぶり安値となる13.03円まで急落しました(その後持ち直すも上値は重たい。現在も13.42円前後で推移)。一目均衡表基準線や転換線、200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、トルコ中銀による利下げ観測を背景にトルコリラを買いづらい状況が生まれております(※エルドアン大統領は自身の方針に背いて利上げを続けたアーバル総裁を3/20に突如解任→後任のカブジュオール新総裁は市場の動揺を落ち着かせる目的で「利下げ」を否定する発言を行いましたが、エルドアン大統領の方針に逆らえるか否かは不透明)。事実エルドアン大統領は今週、政策金利の引き下げを目指すと発言し、トルコ中銀にプレッシャーを与えました。加えて、インフレ圧力の高まりも、実質金利の低下を通じて、トルコリラを下押す材料となっております(※本来であれば、実質金利の低下を政策金利の引き上げで打ち消すことが想定されますが、上述の通り、エルドアン大統領の圧力の影響で利上げカードを切れないことから、インフレ率の上昇は素直にトルコリラ売り材料)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(来週は4/15の日本時間20時に開催されるトルコ中銀会合に注目。政策金利の据え置きが市場コンセンサスとなっていますが、一部でサプライズ利下げを予測する向きもいることから、油断は禁物。声明文でエルドアン大統領に配慮する姿勢が見られた場合、中銀の独立性への疑念から信用力が低下し、トルコ国内からの資本流出を通じてトルコリラに強い下落圧力が加わる恐れもあり注意が必要)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.80ー13.80

注:ポイント要約は編集部

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トルコ円日足

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