一転してドル高優勢、バイデン氏会見を注視(3/25夕)

25日の東京市場はドルが小高い。ただ、オファーが厚いとされる109円レベルを超えていくことはできず、高値圏では上げ渋り。

一転してドル高優勢、バイデン氏会見を注視(3/25夕)

一転してドル高優勢、バイデン氏会見を注視

〇本日のドル円、108.85-00円といった高値圏での強保ち合いに
〇ユーロ/ドルやNZドル/ドルなどは一時年初来安値を更新
〇北朝鮮が本日早朝に2発のミサイルを発射、菅首相は国家安全保障会議を緊急で開催
〇EUが新型コロナワクチンの輸出規制を見直すことを発表
〇本日は就任後実質的に初めて実施されるバイデン米大統領の記者会見に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.50-109.40

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場はドルが小高い。ただ、オファーが厚いとされる109円レベルを超えていくことはできず、高値圏では上げ渋り。

ドル/円は寄り付いた108.70円前後を目先底値にドルが小高い。ゴトー日仲値不足観測なども後押しする格好で、一時109円前後まで値を上げたものの、上方向のオファーに阻まれ、しっかりと回復することはできなかった。ただ、それでも108.85-00円といった高値圏での強保ち合いに。16時現在ドルは日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、ここ数日は円絡みの通貨ペアの動きが目に付くなか、本日はドルに絡む動きが優勢。実際、ユーロ/ドルやNZドル/ドルなどは一時年初来安値を更新する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「コロナワクチン供給をめぐる動き」について。
前者は、前日に米紙が「先週末に複数の短距離ミサイル発射」と報じた北朝鮮が、本日早朝に「2発のミサイルを発射した」として物議を醸す。ちなみに、政府の発表では「排他的経済水域(EEZ)の外側の日本海に落下した」とされ、菅首相は国家安全保障会議を緊急で開催するとともに、北朝鮮に厳重抗議する旨を明らかにしていた。
対して後者は、一部で事前に報じられていたように、EUが「新型コロナワクチンの輸出規制を見直す」ことを発表。これにより、英国などに対するワクチン輸出の差し止めを容易にできるようになる。また、ロイターは、インド国内での感染拡大を受け、「同国製の英アストラゼネカワクチンの主要な輸出を中断したことが明らかになった」と報じていた。ワクチン接種さらには供給をめぐる様々な思惑は引き続き交錯しそうで、世界的な混乱はまだまだ続きそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、本日早朝「北朝鮮が2発のミサイル発射」とした報道が観測され、アジアの地政学リスクが取り沙汰されるも、為替市場における円買いの動きは限定的。むしろ、ドル/円は小幅ながらドル高・円安が進行している。地政学リスクよりも、米ファンダメンタルズや金利差などを注視した結果であり、このあとさらにドルが続伸するといった見方をする向きも少なくないようだ。いずれにしても、米株価や金利の動きには引き続き注意を払いたい。
材料的に見た場合、昨日まで注目されていたパウエルFRB議長の議会証言などが消化されるなか、本日は就任後実質的に初めて実施されるバイデン米大統領の記者会見を注視する声が多い。なお、そのなかで対中、対露政策などのほか、前段でも取り上げた北朝鮮のミサイル発射についても何らかのコメントを発する可能性が指摘されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は23日に108.41円まで下落したものの、10日安値108.34円にはとどかず。その後ドルは反発に転じると、ここにきては109円近くと、一転してレンジ上限である109.36円を意識した展開となっている。このあとについては、ドルが続伸し109.36円をトライ、さらには更新する展開をたどるのか否かを注視したい。超えれば109.85円、そして110円が視界内に。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、10-12月期のGDP統計確報や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。また、引き続き欧米の中銀総裁による講演など発言機会も多いことから、本日も要人コメントには要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.50-109.40円。上方向は、本日東京で超えられなかった109円レベルが最初の抵抗。上抜ければ、先週高値に当たる109.36円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、108.60円台にも弱いサポートが位置するものの、強く意識される下値メドは23日安値の108.41円。また、そのすぐ下には108.34円も位置しており、底堅そうな雰囲気だ。

一転してドル高優勢、バイデン氏会見を注視

ドル円日足

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