ドル円、1週間ぶり高値圏へ上昇。ユーロは約4ヵ月半ぶり安値圏へ急落
〇ドル円長期金利上昇、株価持ち直し、米指標の好調に米国時間に109.24まで上昇
〇ユーロドル、独仏蘭伊ロックダウン強化による経済先行き不安とECB追加緩和観測等に1.1761まで急落
〇ドル円転換線を上抜け109円台に乗せ短期のテクニカルの地合いが上向きに変化
〇ファンダメンタルズはドル円押し下げリスク残る
〇3/15高値109.37突破は困難か
〇本日の予想レンジ:108.70ー109.40
海外時間のレビュー
25日(木)の外国為替市場でドル円は堅調な展開。@公表相場決定(5・10日要因)にかけてのドル不足や、A米長期金利の上昇圧力(米10年債利回りが前日の1.589%から1.638%へ上昇。低調な米7年債入札結果も米長期金利上昇の背景)、B節目109.00突破に伴う短期筋のロスカット(ストップBUY)、C日米株価指数の持ち直し(米主要株価指数はマイナス圏からプラス圏へ反発)、D米経済指標の良好な結果(米第4四半期GDP確定値や米新規失業保険申請件数)等が支援材料となり、米国時間午後にかけて、1週間ぶり高値となる109.24まで上昇しました。もっとも、買い一巡後は、3/15に記録した約9ヶ月半ぶり高値109.37をバックに伸び悩み、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、109.19近辺で推移しております。
25日(木)の外国為替市場でユーロドルは一段安。@欧州圏における新型コロナウイルス第3波への警戒感(ドイツやフランス、オランダやイタリアでロックダウン強化)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不安、BECBによる追加緩和観測(PEPP枠内での資産買い入れペースの加速)、C200日移動平均線や直近安値(3/9に記録した安値1.1835)を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、昨年11/12以来、約4ヵ月半ぶり安値となる1.1761まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1768近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時109.24まで上値を伸ばし、市場参加者に注目される一目均衡表転換線や心理的節目109.00を突破しました。下位足(4時間足以下)でも買いシグナル(一目均衡表三役好転)が点灯する等、短期的な地合いは「上向き」へ転じたと判断できます。目先は3/15に記録した直近高値109.37を上抜けられるか否かに注目が集まりそうです(※週末ということもあり、上値トライ失敗後の見切り売りには要警戒)。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@地政学的リスクの高まり(米中対立リスク)や、A新型コロナウイルスの感染再拡大(世界経済の早期回復期待の後退)、B世界的な資産価格上昇への警戒感、Cリスク回避ムードの再燃リスク(過剰流動性相場の逆流リスク)等、クロス円主導でドル円相場が押し下げられるリスクが残っている点には注意が必要でしょう(米長期金利が伸び悩めば、ドル売り・円買いが再び強まる公算大)。以上を踏まえ、当方では、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(余程強い材料が出てこない限り、3/15に記録した直近高値109.37突破は難しいとのスタンスを継続)。
本日の予想レンジ:108.70ー109.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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