ドル下値リスクがジワリ拡大、続落要注意か(3/24夕)

24日の東京市場は低位揉み合い。108円半ばにおけるレンジ取引となったが、まだ前日安値を下回る展開には至っていない。

ドル下値リスクがジワリ拡大、続落要注意か(3/24夕)

ドル下値リスクがジワリ拡大、続落要注意か

〇ドル円、108.45-65と20ポイントほどのレンジ取引で積極的な動意に欠ける動き
〇日米欧などによる対中包囲網への対抗で中国はロシアや北朝鮮との共闘を探るとの報道もあり続報に注意
〇パウエルFRB議長の議会証言の内容を引き続き注視
〇本日は2月耐久財受注速報や3月製造業PMI速報値などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.20-109.00

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場は低位揉み合い。108円半ばにおけるレンジ取引となったが、まだ前日安値を下回る展開には至っていない。

ドル/円は108.55-60円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける動き。108.45-65円といった20ポイントほどのレンジ取引に終始している。日経平均株価が一時600円を超える下落を記録するなど、やや荒っぽい値動きをたどったものの、為替市場の反応はいまひとつだった。16時現在では108.50-55円で推移し、欧米市場を迎えている。
ただ、動きの鈍いドル/円を尻目に、クロスなどで円は全面高の様相。ユーロ/円やポンド/円、NZドル/円などは下値を探る展開に。

一方、材料的に注視されていたものは、「コロナワクチンをめぐる動き」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、米国立アレルギー感染症研究所が、「英製薬大手アストラゼネカによるコロナワクチンの臨床試験(治験)に関する不完全なデータが提供された可能性がある」と発表したことが物議を醸す。そうしたなか、市場内外で不足しているワクチンを域内に確保するために、欧州が輸出を禁止するとの思惑が取り沙汰されていたが、ロイターは「欧州委員会が新型コロナワクチンの輸出制限を24日に強化する見通し」だと報じていた。
対して後者は、米紙が「北朝鮮、先週末に複数の短距離ミサイル発射」と報じ話題に。事実なら、バイデン米大統領が就任して以降初めてのことで、米国務長官・国防長官らの日韓訪問を威嚇やけん制する意味合いもあったようだ。なお、この件について聯合ニュースでは、韓国消息筋のひとりが「今回は巡航ミサイルであり『安保理決議違反には当たらない』との見解を示した」と報じるなど、米韓とも不問に処す構えだという。

<< 欧米市場の見通し >>

「北朝鮮によるミサイル発射」、そして米紙WSJによる「北朝鮮、韓国との国境付近で不審な動き」−−との報道など、アジアの地政学リスクが久しぶりに市場動意の材料になりかねないと考えていたのだが、結果は不発。ほぼ材料視されることはなく、東京時間のドル/円はレンジ取引に終始している。しかし、昨日も指摘したように、日米欧などによる対中包囲網への対抗として、「中国、ロシアや北朝鮮との共闘探る」といった報道も観測されていた。続報などには要注意か。

材料的に見た場合、22日と23日の発言はともに新味なく影響も限られたが、本日も実施される米議会公聴会で証言を行うパウエルFRB議長の発言は引き続き注視されている。それ以外では、欧州を中心に再び深刻度合いの高まっている新型コロナの感染拡大、ならびにワクチンの供給や接種をめぐるゴタゴタも気掛かりだ。足もと、年初来安値圏で推移しているユーロ/ドルの動きにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円はほんのわずかずつではあるが、上値を切り下げる反面、下値を拡大させるという展開をたどっている。昨日は一時108.41円を示現し、10日安値108.34円が名実とも視界内に捉えられた感を否めない。本日は、その、前回安値である108.34円などをめぐる攻防に注目で、割り込むようなら108円前後が次のターゲットになりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の耐久財受注速報や3月の製造業PMI速報といった米経済指標が発表されるほか、前述したFRB議長の議会証言のほかにも要人による発言機会が少なくない。欧米要人による発言には本日も注意が必要だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.20-109.00円。上方向は、連日のようにドル上値が切り下がるなか、昨日高値の108.87円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ109円台の回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の108.41円、そして前回安値108.34円がサポートとして意識されている。割り込めば、毎日10ポイント以上上昇し、108円前後まで値を上げてきた移動平均の21日線がターゲットか。

ドル下値リスクがジワリ拡大、続落要注意か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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