ドル円、方向感に欠ける展開が継続。ユーロドルは約4ヵ月ぶり安値圏へ
〇ドル円米財務長官、FRB議長が議会証言で経済回復に自信を示したこと等で108.96まで上昇
〇その後は米経済指標の不冴えで108.70レベルに反落
〇ユーロドル欧州地区での感染拡大、欧州株軟調、ECB追加緩和観測に一時1.1810まで下落
〇ドル円転換線に反発阻まれ下位足では売りシグナル点灯
〇ファンダメンタルズ的にも米中露対立リスク、資産価格上昇への警戒感等ドル円下落の材料多い
〇短期的な下落がメインシナリオ、本日の予想レンジ:108.30ー109.10
海外時間のレビュー
24日(水)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@イエレン米財務長官およびパウエルFRB議長が議会証言で米経済の回復に自信を示したことや、Aバイデン政権による大型インフラ投資計画への期待感(3/31に詳細を明らかにするとの報道あり)、B米長期金利の上昇(米10年債利回りが1.59%→1.64%)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値108.96まで上昇しました。しかし、心理的節目109.00や一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、C米2月耐久財受注(結果▲1.1%、予想0.8%、前回3.5%)の大幅悪化や、D米3月製造業PMI(結果59.0、予想59.3、前回58.6)の冴えない結果、E米長期金利の上昇幅縮小(米10年債利回りが1.64%→1.61%)、F米主要株価指数の軟調推移が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.70近辺まで反落する冴えない動きとなっております。尚、昨日はセントルイス連銀ブラード総裁より「テーパリング議論はまだ開始されていないが、今年始まる可能性もあり」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
24日(水)の外国為替市場でユーロドルは続落。@欧州圏における新型コロナウイルス第三波への警戒感や、A上記@を背景とした欧州株の軟調推移、BECBによる追加緩和観測(PEPP購入ペースの加速)、C200日移動平均線や直近安値(3/9に記録した安値1.1835)を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、昨年11/23以来、約4ヵ月ぶり安値となる1.1810まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1812近辺で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏3月製造業PMI速報値、同サービス業PMI速報値は軒並み市場予想を上回る力強い結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は一時108.96まで反発するも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれる形で伸び悩む動きとなりました(上値の重さを再確認)。下位足(4時間足以下)を中心に売りシグナルが点灯するなど、短期的なダウンサイドリスクに警戒が集まります。ファンダメンタルズ的に見ても、米中露対立リスクを中心にグローバルに地政学的リスクが燻り始めている他、新型コロナウイルスの感染再拡大(ロックダウンの長期化懸念→世界経済の早期回復期待の後退)や、世界的な資産価格上昇への警戒感(今月に入り、金融引き締めやバブル抑制に動く国が増加)、リスク回避ムードの再燃リスク(過剰流動性相場のアンワインドリスク)等、ドル円相場の下落を想起させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では、ドル円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします(クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路を想定)。尚、本日は5.10日となる為、公表相場決定(日本時間9時55分)にかけての一時的なドル高・円安には注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:108.30ー109.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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