トルコリラ週報:『約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸。トルコ中銀の大幅利上げが背景』(3/20朝)

トルコリラの対円相場は、3/8に記録した約1ヶ月半ぶり安値13.98円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、一時15.13円まで急伸しました。

トルコリラ週報:『約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸。トルコ中銀の大幅利上げが背景』(3/20朝)

約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸。トルコ中銀の大幅利上げが背景

〇トルコリラ円、トルコ国内感染拡大等に週央にかけ14.29まで下落
〇その後フォードのトルコでの電気自動車製造発表、トルコ中銀のサプライズ大幅利上げで15.13まで急伸
〇トルコ円テクニカルには基準線、転換線、200日線上抜け地合い強い
〇ファンダメンタルズもトルコ買い要因増加
〇トルコ円の短期的上昇を予想、ただし、米金利上昇によるリスク回避ムードには注意
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):14.70ー15.30

今週のレビュー(3/15−3/19)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.42円で寄り付いた後、@米FOMCを控えた警戒感や、A新型コロナウイルスの感染拡大懸念(トルコ国内の新規感染者数は今年最多)を材料に、週央にかけて、週間安値14.29円まで下落しました。しかし、B米FOMCを経て早期テーパリング観測が後退すると、C米フォードモーター社による「2023年より欧州向け電気自動車をトルコで生産する」との発表や、Dトルコ中銀による市場予想を上回るサプライズ利上げ(結果19.00%、予想18.00%、前回17.00%、※トルコ中銀は中期的なインフレリスクを考慮し、前倒しで強力な追加金融引き締めを実施)、E欧州連合がトルコ国営石油会社の幹部に対する制裁計画を凍結したとの一部報道(トルコとEUの関係改善期待)が支援材料となり、週末にかけて、2/22以来、約1ヵ月ぶり高値となる15.13円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局15.08円前後での越週となっております。

来週の見通し(3/22−3/26)

トルコリラの対円相場は、3/8に記録した約1ヶ月半ぶり安値13.98円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、一時15.13円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線を上抜けした他、上位足から下位足に至る全てのテナーで買いシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります(目先は2/16に記録した約半年ぶり高値15.28円を試すシナリオを想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀のサプライズ利上げを背景に実質金利が再び上昇に転じたことや、A声明文にて更なる追加利上げの可能性が示されたこと(「金融引き締めスタンスは断固として維持」「必要に応じて、追加引き締めを行う」)、Bトルコ・EUの関係改善期待、C米フォードモーター社によるトルコへの投資報道など、トルコリラ買いを連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方ではトルコリラ円相場の短期的な上昇をメインシナリオとして予想いたします。但し、米長期金利上昇を背景にリスク回避ムードが広がりつつあること(米長期金利上昇→株安・商品安の流れが活発化すれば、新興国通貨にも下落圧力が加わる恐れあり)、欧州圏を中心に新型コロナウイルスの第3波が広がりつつあること(トルコ国内の感染者数も増加)等、トルコリラ円相場の反落に繋がり得る潜在的な材料が育ちつつある点には念のため留意が必要でしょう(グローバルなリスクオフに発展した場合は、トルコリラも反落に転じる可能性あり)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):14.70ー15.30

約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸。トルコ中銀の大幅利上げが背景

トルコ円日足

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