市場に材料多い、英国情勢にも注意(3/18夕)

18日の東京市場は乱高下。日経新聞報道などもあり、上下に振れるやや荒っぽい変動をたどっている。

市場に材料多い、英国情勢にも注意(3/18夕)

市場に材料多い、英国情勢にも注意

〇ドル円、一時109円を超えた後50ポイント程度下落、再びじり高に
〇FOMCは政策金利の据え置きと量的緩和の継続を全会一致で決定
〇パウエルFRB議長は弱気発言を連発、緩和政策の長期化を示唆
〇中国の陳国際機関代表部大使が米国の人種差別問題などを改めて批判
〇日英中銀による政策金利発表、米中外交トップ会談などに注目
〇本日は3月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数が発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.40-109.40

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場は乱高下。日経新聞報道などもあり、上下に振れるやや荒っぽい変動をたどっている。

ドル/円は108.80-85円で寄り付いたのち、ドルがじり高。一時は109円を超え、109.10-15円まで値を上げている。しかし、日経新聞が明日の日銀会合について、「長期金利変動幅を拡大へ」などと報じたことで流れが一変した。ドルは一気に50ポイント程度下落したものの、そののち再びじり高となり、16時現在では寄り付きに近い108.90円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円同様に乱高下はあったものの、トータルとすれば本日も円が全面安。ユーロ/円や豪ドル/円、カナダ/円などクロスの多くは本日も年初来高値を更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米FOMC」と「米中協議」について。
前者である、市場の注目を集めていた米FOMCは、「政策金利の据え置き」と国債などを買い入れる量的緩和の継続を全会一致で決定。また景気支援に向けあらゆる手段を行使する姿勢も改めて表明している。さらに、そののち実施された会見でパウエルFRB議長は「経済情勢は引き続き不均一で完全にほど遠い」、「一時的な物価上昇は政策金利見通しに影響を与えない」などと弱気発言を連発、緩和政策の長期化を示唆していた。

対して後者は、18日に実施される「米中外交トップ会談」を前に、両者の探り合いやけん制の動きが観測されている。たとえば、ロイターは米政府高官が会談について、「バイデン政権は結束し、より強硬な姿勢で臨む考え」などと報じるなか、中国サイドは陳国際機関代表部大使が「米国では人種差別と警察による暴力がなお大きな問題となっている」と述べ、米国の人種差別問題などを改めて批判していた。なお、そうしたなか米紙WSJは「一連の協議で、中国はトランプ政権の政策撤回を要求することがわかった」と指摘、物議を醸していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、日経新聞報道で水を差されてしまったが、東京勢のドル買い意欲は依然として旺盛。軟化した局面があれば、確実に下値を拾いたいなどといった声も少なくない。また市場変動要因のひとつである米長期金利の動きをみても、本日東京時間に再び上昇へと転じるなど、ドルが大きく崩れるイメージは乏しいと言わざるを得ないだろう。ドル/円は引き続き底堅い値動きをたどる公算が大きいようだ。
材料的には、注目された米FOMCをこなすなか、日英中銀による政策金利発表などに依然として要注意。また、18日に実施される「米中外交トップ会談」や、昨日急台頭した「米露の対立」に関する続報なども気掛かりか。ちなみに、後者はバイデン氏が米大統領選に絡めたものとして、「プーチン大統領は殺人者」と発言したことをロシア側が問題視。「対米関係の協議のため自国の駐米大使を本国に召還した」と発表している。

テクニカルに見た場合、ドル/円は微妙なところだが、昨日欧米時間の109.30円台そして本日東京では109.10円台と、2度ドルの上値トライを阻まれた感。ごく短期間に2回のミソがついたことで、ドルの上値トライはいったん仕切り直しになるのではないか、といった声も少なくないようだ。ただ、ドルの下値も108.60-70円では下げ止まっており、下落余地が大きく広がったと言えそうにない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、3月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっており、それらは当然要注意。また、米国ファクター以外として英国や欧州情勢を警戒する声も聞かれている。為替市場でいえばユーロやポンド主導の展開も否定できないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.40円。上方向は、昨日も近いレベルで上げ止まった先日示現のドル戻り高値109.36円が最初の抵抗。超えれば109.85円が再び意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である108.60-65円をめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも底堅そうで、108円台は維持される公算が大きい。

市場に材料多い、英国情勢にも注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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