米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策記者発表
(2021年3月16日・17日開催分)
昨日、FOMCの金融政策に関する記者発表がありました。内容は従前の予想通り、金利及び債券購入額など、全て据え置きとなりました。次回は4月28日(水曜日)に予定されています。
(1)FOMC声明文記者発表要旨
FRBはこの困難な時期に、米国経済を下支えするためにはあらゆる手段の手立てを使うことを約束する。それによって最大雇用と物価安定目標を促進していく。
Covid-19パンデミックは米国や世界に恐ろしいほどの人的・経済的困難をもたらした。緩やかな回復ペースに沿って、経済活動や雇用を示す指標は最近上向きになってきた。それでもパンデミックにより最も影響受けた部門は依然として弱いままである。インフレは2%以下が続いている。全般的な金融情勢は、経済あるいは家計や企業への信用供与の流れを支える政策の一部を受け、緩和的なままである。
経済の道のりは、ワクチンの進展状況を含め、明らかにウィルスの状況次第である。進行中の公衆衛生危機は経済活動、雇用やインフレに重石となり続け、経済見通しに対する著しいリスクをもたらしている。
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%の達成が求められている。この長期目標から下回って推移しているインフレにより、委員会は暫くの間、インフレは緩やかに2%を越える水準、長期のインフレ期待は2%で確りと定着を達成することを目的としている。委員会は、その成果が達成されるまで金融政策の緩和的スタンスを維持すると予想している。委員会はFFレートを0〜0.25%レンジで維持することを決定し、労働市場が一貫して最大雇用であるとの委員会査定に達し、インフレが2%まで上昇し、そして暫くの間緩やかに2%を越える軌道に乗るまで、この目標レートを維持することが適切であると予想している。加えて、FRBは少なくとも月間800億ドルの国債と少なくとも月間400億ドルの不動産担保証券の保有を増加させ続けることになる。これも委員会の最大雇用と物価安定目標に向けて、相当な進展が見られるまでの期間である。これらの資産購入は円滑な市場機能や緩和的状況を促進するのに役立つ。そして家計や企業への信用供与の手助けにもなる。
金融政策の適切な査定において、委員会は経済見通しに対する入手情報の含みを精査していくことになる。委員会は目標達成の妨げになるリスクが起きた場合には、金融政策を適切に調整していく準備がある。委員会の査定は幅広い情報を考慮した上で行われる。この中には公衆衛生、労働市場、インフレ圧力やインフレ期待、あるいは金融や国際情勢の進展具合も含まれる。
金融政策に対する賛成者:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー(全員一致です)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)FRB経済見通し
前回12月時予想よりFFレート以外はほとんどの項目で改善予想になっています。GDPは2021年に大きく伸びますが、それ以降は巡航速度のままです。コアのインフレも今年高く、来年以降はFRB目標値付近での推移と予想しています。
また、ドットプロットでは、前回の利上げ予想は、2022年中の利上げ予想の理事が1名、2023年利上げは同5名でした。
今回は2022年中が同4名(最大は現在から2回利上げ:据え置きは14名)、2023年中が同7名(最大は現在から4回利上げ:据え置き11名)と増えています。
(上記出所:FRB HP)
(2021年3月18日14:00、1ドル=108円93銭)
オーダー/ポジション状況
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