ドル円、米長期金利急騰で持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目(3/19朝)

18日(木)の外国為替市場でドル円は乱高下。

ドル円、米長期金利急騰で持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目(3/19朝)

ドル円、米長期金利急騰で持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目

〇ドル円FOMC後の米長期金利低下と日銀の長期金利変動幅拡大観測報道等に東京時間に108.63まで下落
〇売り一巡後、米長期金利再上昇とフィッチの今年度後半の米テーパリング予想に109.30まで急伸
〇その後は米主要株価指数が下げに転じたこと等で再度ドル円下落109円を割り込む乱高下
〇ユーロドル米長期金利低下で1.1989まで上昇後、金利反転やECB総裁発言で1.19台前半に下落
〇本日日銀政策会合結果公表、政策点検実施の内容に注目
〇昨日報道内容通りの金利変動許容と資産買い入れ目安削除にとどまれば、ドル円への影響は限定的か
〇当面米金利上昇とドル円でのドル高継続を見込む
〇本日の予想レンジ:108.50ー109.50

海外時間のレビュー

18日(木)の外国為替市場でドル円は乱高下。@日本時間早朝に発表された米FOMCを経て、早期テーパリング観測が後退したこと(ドットチャートの中央値ベースで2023年末までの政策金利据え置きを示唆→早期テーパリング観測後退→米長期金低下→ドル売り)や、A日銀は金融政策決定会合(3/18ー3/19)で長期金利の変動幅拡大(±0.25%程度)およびETF買い入れにおける年6兆円の目安を削除する見通しとの一部報道が重石となり、日本時間正午にかけて、約1週間ぶり安値となる108.63まで急落しました。しかし、売り入り一巡後に下げ渋ると、B時間外取引で米長期金利が再上昇したこと(米10年債利回りは約1年2ヵ月ぶり高水準となる1.75%へ急上昇)や、C米格付け大手フィッチ・レーティングスによる「FRBは今年後半にテーパリング方針を定め、来年早々より開始するだろう」との発表が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、日通し高値109.30まで急伸しました。

もっとも、3/15に記録した直近高値109.37をバックに伸び悩むと、引けにかけては再び反落。D米主要株価指数が史上最高値更新後に反落に転じたことや、E原油価格をはじめ商品市況が値崩れしたこと、F上記DEを背景としたリスク回避の円買い圧力、G米新規失業保険申請件数の冴えない結果が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、108.91近辺で推移しております。尚、菅首相は昨日、「首都圏の緊急事態宣言を3/21に解除する」と発表しましたが、市場の反応は限定的となっております。

18日(木)の外国為替市場でユーロドルは上昇後に急反落。@米FOMC後の早期テーパリング観測後退の流れ(米長期金利低下)や、A上記@を背景としたドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1989まで上昇しました。しかし、心理的節目1.2000をバックに伸び悩むと、B米長期金利の再上昇や、C欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大、DラガルドECB総裁による「市場の状況に応じて柔軟に資産買い入れを実施する」との発言が重石となり、米国時間午後にかけて、日通し安値1.1906まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1917近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は米FOMCを経て一時108.63まで下げ幅を広げるも、一目均衡表転換線108.59や、3/10に記録した直近安値108.33をバックに下げ渋ると、一転して持ち直す動きとなりました(下値の堅さを再確認→テクニカル的に買い安心感が広がる展開)。強い買いシグナルを示唆する三役好転も継続する中、目先は心理的節目110円を試す動きが想定されます。

こうした中、本日は日銀金融政策決定会合に注目が集まります。点検結果発表のタイミングとなる為、市場の関心は、@ETF買い入れ弾力化の有無と、A長期金利の変動許容幅拡大有無の2点に絞られております。但し、昨日アジア時間に既に、「ETF買い入れにおける年6兆円の目安を削除する見通し」「長期金利の変動幅を従来までのゼロ%を中心に上下0.2%許容の状態から、上下0.25%許容へ拡大する見通し」と、上記@Aに関する見解が報じられてしまったことから(その際は本邦の長期金利上昇→円高で反応)、材料としての鮮度は失われた可能性が高いと考えられます。この為、何かしらのサプライズ(例えば国債買い入れオペの調整や、当座預金基礎残高の拡大、マイナス金利の深堀余地明確化等)が見られない限り、ドル円相場への影響は限られそうです。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(FOMC及びパウエルFRB議長の意図に反し、市場では引き続き早期テーパリングを織り込む展開が継続。事実、格付大手フィッチ・レーティングスも2022年初頭からのテーパリング開始を予想。当面は米長期金利上昇→ドル高の流れが続く見通し)。尚、本日は前倒し5・10日(3/20が土曜日の為、3/19に前倒し)となる為、日本時間9時55分にかけてのドル買い・円売りにも注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:108.50ー109.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米長期金利急騰で持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目

ドル円日足

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