金融市場全般値動き荒っぽい、動静要注意(3/15夕)

週明け15日の東京市場はドルが続伸。レンジそのものはさほど広くはなかったが、109.30円台まで上昇し、先週示現した戻り高値を早くも更新している。

金融市場全般値動き荒っぽい、動静要注意(3/15夕)

金融市場全般値動き荒っぽい、動静要注意

〇本日のドル円、109.30台まで上昇し先週示現した戻り高値を早くも更新
〇ビットコインが続伸し一時61800ドルレベルへと達する局面も
〇G7の外相が中国による香港選挙制度見直しに「重大懸念」を表明
〇クロスを含めた円全面安の傾向は本日も変わらず
〇本日は3月NY連銀製造業景況指数や1月対米証券投資などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.70-109.70

<< 東京市場の動き >>

週明け15日の東京市場はドルが続伸。レンジそのものはさほど広くはなかったが、109.30円台まで上昇し、先週示現した戻り高値を早くも更新している。

週末に暗号資産(仮想通貨)ビットコインが初の6万ドル台乗せ。また、その後も続伸し、一時61800ドルレベルへと達する局面も。一方、それとは別にG7の外相が中国による香港選挙制度見直しに「重大懸念」を表明するなど、対中包囲網に関する話題もいくつか観測されていた。
そうした状況下、ドル/円は108.95-00円で寄り付いたものの、しばらくは冴えない。109円挟みのレンジ取引をたどるも、上抜けるとそのまま日中高値である109.35-40円まで続伸している。ドルは高値示現後小緩むもすでに底堅く、16時現在ドル/円は109.25-30円の日中高値圏をキープ、欧米市場を迎えていた。
なお、クロスを含めた円全面安の傾向は本日も変わらず。実際、ユーロ/円やカナダ/円はドル/円同様、年初来高値を更新している。

一方、材料的に注視されていたものは、「国際的な対中包囲網」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、前述したG7以外のものとして、岸防衛相が参加したオンラインの国際会議で、尖閣諸島周辺での中国海警局の船舶の活動を批判。また菅首相は、初めて実施された日米豪印首脳によるテレビ会談において、海洋進出などを強める中国の動きに強く反対することを訴え支持を得たことを明らかにしている。そのほか米国サイドも、サリバン補佐官が「18日の米中外交トップ会談で尖閣沖侵入を取り上げる」旨の発言、16日の日米2プラス2でも「成果文書で、東・南シナ海で現状変更を試みる中国を名指しで批判する方向で調整に入った」などと報じられていた。

対して後者は、15日から実施されるブリンケン米国務長官とオースティン同国防長官の日韓訪問もあり、北朝鮮情勢がにわかに注目を集めている。そうしたなか「米政府高官が、日韓など近隣国や国際社会に対する北朝鮮の脅威が増大しているとの認識を示した」、CNNによる「バイデン米政権、北朝鮮と水面下で接触を図るもいまだ応答なし」といった報道も観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

たびたび報じているように、最近の東京時間はドル/円の上昇が目に付く。本日も30ポイント程度ではあったが、ドルが上昇して欧米市場を迎えている。テクニカルに見た次の上値メドは昨年6月高値の109.85円。110円も薄っすら視界内へととらえられてきた感を否めない。ポジションの偏りや行き過ぎの懸念なども聞かれるものの、リスクという意味では引き続き上方向にバイアスがかかりそうだ。
先週末に史上最高値を更新したNYダウ、週末に初めて6万ドル台を示現したビットコインなど、金融市場は全般荒れ模様。それからすれば大人しい部類だが、米長期金利や為替市場も足もとやや荒っぽい変動をたどっている。本日も動静には要注意。ちなみに、後者についてはユーロやポンドの動きとともに、カナダドルの動きを警戒している声が多い。対円などで行き過ぎ圏内にあるものの、続伸を期待する向きがやや優勢か。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週一週間で約1円しか変動しなかったが、その上限つまりドルの戻り高値を本日東京時間にアッサリ上抜けている。テクニカルに見た次の上値メドは昨年6月高値の109.85円で、それを超えればいよいよ110円トライも。ドル続伸の可能性そのものは否定できないが、ポジションの偏りなどを加味したうえで、110円トライの前に調整が入り、その後再び上値再トライといった見方をする向きも多いようだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、3月のNY連銀製造業景況指数や1月の対米証券投資といった米経済指標が発表される予定となっている。また、前述したようにカナダドルが堅調推移をたどっていることもあってか、2月の住宅着工件数など発表されるカナダの経済指標を警戒する声も聞かれていた。なお、米国やカナダは先日から「夏時間」に移行しており、経済指標の発表時間などが1時間早まる。間違えないようにしていただきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.70-109.70円。上方向は、本日東京高値にあたる109.35-40円が最初の抵抗。超えれば109.85円を目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の108.90-95円の攻防にまずは注目。ただ割り込んでも108円前半などではかなり底堅そうで、大崩れは現状見込みにくいか。

金融市場全般値動き荒っぽい、動静要注意

ドル円日足


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