ドル円、高値圏で膠着。FOMCやBOJを控え、様子見ムードが強まる展開
〇ドル円欧州朝方にかけ9か月ぶり高値109.36まで上昇、米長期金利高止まり、中国指標好調が背景
〇その後はFOMC、日銀会合控え様子見気分強まり小幅反落
〇ユーロドル米金利高止まりに加え独、伊、仏でのアストラゼネカワクチン接種中断で頭重い
〇ドル円テクニカルファンダメンタルズともに強く今週中に110円を試す展開か
〇週央イベント控え本日は方向感に欠ける動き予想
〇本日の予想レンジ:108.80ー109.50
海外時間のレビュー
週明け15日(月)の外国為替市場でドル円は高値圏で膠着。@米政府による追加経済対策(財源確保のための国債増発懸念)や、A上記@に伴う米長期金利の高止まり、B中国の主要経済指標(小売売上高や鉱工業生産)の力強い結果(リスク選好の円売り)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、昨年6/8以来、約9ヶ月ぶり高値となる109.36まで上昇しました。しかし、米FOMCや日銀金融政策決定会合を前に、様子見ムードが強まると、米国勢参入後は伸び悩む展開に。本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、109.15近辺で推移しております。尚、昨日発表された米3月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果17.4、予想14.5、前回12.1)は力強い結果となりましたが、市場の反応は限定的となっております。
15日(月)の外国為替市場でユーロドルは上値の重い展開。@米長期金利の高止まりや、A上記@に伴うドル高ムード、B欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、Cドイツ、イタリア、フランス政府による英アストラゼネカ製の新型コロナワクチンの接種中断発表(接種後に血栓ができる等の副作用の事例)が重石となり、米国時間にかけて、日通し安値1.1911まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1930近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は年初来高値を更新し、一時109.36(約9ヵ月ぶり高値圏)まで上昇しました。上位足・下位足共に強い買いシグナルを示唆する三役好転が成立する中、テクニカル的に見て、上昇トレンドは継続中と判断できます(ダウ理論でも高値と安値を共に切り上げる典型的な上昇トレンド)。ファンダメンタルズ的に見ても、米長期金利の高止まり(国債増発懸念+テーパリング観測)や、良好な米経済指標など、ドル高・円安を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(今週中に心理的節目110.00を試すシナリオを想定)。但し、週央以降に重要イベント(米FOMCや日銀金融政策決定会合)を控える中、様子見ムード(手控えムード)も強まり易く、本日に限っては、アジア時間・欧米時間共に方向感に欠ける値動きが予想されます。
本日の予想レンジ:108.80ー109.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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