トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値13.94レベル、高値14.57レベルと予想レンジでの推移
〇米金利上昇によるドル買いが新興国通貨に影響し対ドル、対円とも前週安値を抜ける
〇トルコ中銀会合での利上げ思惑が広がったことが週後半のトルコリラ下支えの材料
〇トルコ中銀は0.5〜1.0%の利上げを行い17.5〜18.0%にするという見方
〇今週は大台14.00レベルをサポートに、14.75レベルをレジスタンスとする週と見る
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「トルコリラ安に動きやすく大台を試すと考え、14.00レベルをサポートに14.60レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.94レベル、高値が14.57レベルとなり、ほぼ予想レンジでの推移となりました。
先週のトルコリラは、週初は米金利上昇によるドル買いの動きがドル円以上に新興国通貨で影響があったことから、トルコリラは対ドル、対円とも前週安値を抜けトルコリラ円では14円の大台を一時的に割り込む動きが見られました。その後米金利低下によってドル売りの動きもドル円以上に新興国通貨に影響が見られ、木曜には週初の水準を超え14.57レベルの戻り高値を付けましたが、週末に向けて米金利上昇とともにトルコリラ売りが入っての一週間となりました。
ほとんど米金利の動きに沿った一週間となっていましたが、他には今週のトルコ中銀会合に向けて急速に利上げ思惑が広がったことが週後半のトルコリラ下支えの材料となっていました。少なくとも先週初の段階では利上げを見込む向きは少数派で現状維持がコンセンサスとなっていましたが、トルコのインフレ懸念が収まらないことや前日17日のFOMCにおいてFRBは長期金利上昇を容認するこれまでの姿勢を変えないとの判断から、トルコ中銀は0.5〜1.0%の利上げを行い17.5〜18.0%にするという見方になってきています。
逆に利上げ期待でトルコリラが下支えされているということになると、現状維持の時には改めてトルコリラ売りが強まるリスクが高まっていますので、これまでのような引き締め姿勢を示すだけでは逆効果になりかねません。中銀としてはインフレとトルコリラ安を抑制するために利上げを行うという大義名分がありますので、1%の利上げを行い18.0%とすることで先週のドルトルコリラのトルコリラ安値だった7.7770を抜けさせないという方向に動く可能性が高そうです。
おそらく市場参加者の予想も今週初の時点では6:4で利上げが行われるという見方でいるのではないかと考えられます。予想通り利上げが行われれば、上記の通りで先週の安値は抜けずに、対円でも14円維持という流れになりそうですが、逆に現状維持で引き締め政策を維持するだけの発言に留まった場合は、先週の安値は対ドル、対円ともに抜けることになるでしょう。
今週は主要通貨ではFOMCと日銀会合が注目されますが、トルコリラの場合、その間にトルコ中銀の会合が挟まりますので、ほぼトルコ中銀の結果次第に動くということになります。現状ではテクニカルな観点は悩ましいのですが、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先週水曜に2月22日からのレジスタンスライン(ピンク)を上抜けたことでテクニカルには押し目買いが出やすい地合いです。抜けたレジスタンスがほぼ大台14円(赤の水平線)と重なっていることから同水準が下値の目途となります。
いっぽうで上値については2月16日高値と先週安値との戻しを見ると半値戻しが14.59とほぼ先週の高値に重なり、61.8%戻しが14.75とこちらは先々週の高値と重なっていることがわかります(どちらも青のターゲット)。金融政策イベントがあり動きも出やすくなると考えると、上のターゲットを考える方が妥当に思えます。
今週は利上げ実施シナリオで、大台14.00レベルをサポートに、14.75レベルをレジスタンスと横方向に動きながら底割れは回避するであろう週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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