トルコリラ円見通し 3月11日高値と3月12日夜安値までのレンジ内推移(21/3/16)

夜には14.53円まで戻したが11日夕高値を超える勢いには至らず、その後は14.47円を挟んだ揉み合いとなっている。

トルコリラ円見通し 3月11日高値と3月12日夜安値までのレンジ内推移(21/3/16)

トルコリラ円見通し 3月11日高値と3月12日夜安値までのレンジ内推移

〇トルコリラ円、3/11夕高値14.61から3/12夜安値14.28でのレンジ内の推移
〇対ドル、3/15夕刻7.61まで下げたところから夜高値7.48へ反発、その後7.50台前半で横ばい推移
〇トルコの2月財政収支、231.7億リラの黒字となり市場予想を上回る
〇3/18トルコ中銀の金融政策決定会合、政策金利の市場予想、引き上げ予想に変わる
〇14.40以上での推移の場合は上昇余地ありとし、14.60超えからは14.70前後への上昇を想定する
〇14.37割れからは、14.20前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円は3月8日安値13.97円から3月11日夕高値14.61円まで戻したところから3月12日夜に14.28円まで反落したが、その後は11日高値から12日夜安値までのレンジ内にとどまっての推移が続いている。
週明け15日は夕刻に14.33円まで下げる局面もあったが12日夜安値割れには至らず、夜には14.53円まで戻したが11日夕高値を超える勢いには至らず、その後は14.47円を挟んだ揉み合いとなっている。
2月16日と2月18日の15.26円をダブルトップとした下落は3月8日安値13.97円までで一服となり戻りを試しているところだが、3月18日のトルコ中銀金融政策決定会合を控え、追加利上げの可能性も浮上してきたことが相場の下支えとなっているが、米連銀や英中銀、日銀の金融政策決定会合も相次ぐことから市場もやや慎重姿勢となっている。

対ドルでのトルコリラは3月11日夕高値7.42リラから12日夜には7.61リラまで反落したが、15日は夕刻に再び7.61リラまで下げたところから夜高値7.48リラへ反発、深夜には7.57リラまで反落したものの新たな安値更新には至らずに7.50リラ台前半で横ばい推移に入っている。
3月15日はNYダウが4日連続で史上最高値を更新、米10年債利回りも一時1.60%を割り込む場面がある等週末の1.64%からは落ち着いた状況となったのだが、為替市場においてはユーロドルが午前高値の後をジリ安推移、ポンド/ドルと豪ドルが深夜に週末安値を割り込む一段安、ドル円が午後に109.36円まで上昇して3月9日高値を超えて1月6日以降の高値を更新するなど、メジャー通貨ではドル高感が継続した。一方で南アランドやメキシコペソが堅調推移となるなどまちまちの展開だった。

3月15日に発表されたトルコの2月財政収支は231.7億リラの黒字となり1月の241.5億リラの赤字から改善、市場予想の160億リラの黒字を上回った。トルコの財政収支は赤字傾向が続いているが、昨年8月と11月は黒字で、今年2月は3か月ぶりの黒字となった。昨年のパンデミック第一波の不況が直撃した時には財政出動もあって400億リラを超える赤字規模となり、12月も第二波の影響で400億リラを超える赤字となった。2月はやや改善の兆しとみられるが、トルコの感染拡大第三波の影響も今後は懸念される。

【3月18日のトルコ中銀金融政策決定会合迫る】

3月18日のトルコ中銀の金融政策決定会合について、当初の市場予想は主要政策金利の据え置き見通しだったが、先週後半からは現行の17%から18%への引き上げ予想に変わってきた。市場のコンセンサスは18%だが18.50%の予想も出ている。
トルコの2月消費者物価上昇率は前年同月比で15.61%となり1月の14.97%から伸びが加速した。生産者物価は27.09%へと上昇しているが、昨年5月時点では5.53%だったところから急激に上昇している印象だ。消費者物価上昇率も10月までは12%弱の水準にとどまっていたところから14%超え、15%超えへと伸びてきている。11月からトルコリラが反騰入りしたものの通貨高によるインフレ抑制効果は見られず、生産者物価上昇率を消費者物価上昇率が追いかけてゆく展開も懸念される。

トルコ中銀のアーバル総裁は11月と12月に連続利上げした後は政策金利を据え置きつつも必要に応じてインフレ対策的な追加利上げがありうるとして市場をけん制してきた。2月の物価上昇を見て予防的な追加利上げに踏み切るのではないかというのが市場の利上げ予想に結びついていると思われるが、いったん市場が利上げ予想としたところで中銀が現状維持にとどまるとトルコリラへの失望売りのきっかけとなる可能性もある。エルドアン大統領は利上げを嫌悪する政治姿勢であり、アーバル総裁も難しいかじ取りになると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月9日未明安値からの上昇が3月11日夕高値で一巡して調整安に入ったが、3月12日夕安値からは持ち直しの動きを続けて新たな安値更新を回避しているので、3月12日夕安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしていると思われる。高値形成期は16日午後から18日夕にかけての間と想定されるので12日夕安値割れ回避のうちは上昇余地ありとするが、12日夕安値を割り込むところからは弱気サイクル入りとみて17日夕から19日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では3月15日夜へ上昇してからも確りしているため遅行スパンが好転、先行スパンを上抜いた助教にある。このため先行スパンからの転落回避中は遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は15日夜の上昇時に60ポイントを超えた後の50ポイント以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとみるが、50ポイント割れから続落に入る場合はいったん下げに入るとみて30ポイント前後への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.37円を下値支持線、14.60円を上値抵抗線とする。
(2)14.40円以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとし、14.60円超えからは14.70円前後への上昇を想定する。14.70円以上は反落注意とするが、14.50円以上での推移なら17日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.37円割れからは14.20円前後への下落を想定する。14.20円前後は買い戻されやすいとみるが、14.37円を下回る水準での推移なら17日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

3月18日
 19:30 2月 自動車生産台数 前年比 (1月 -3.3%、予想 4.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 17.0%、予想 18.0%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 翌日物貸出金利 (現行 18.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 翌日物借入金利 (現行 15.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 後期流動性貸出金利 (現行 21.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 3/8時点(532.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 3/8時点(115.7億ドル)
3月22日
 17:00 2月 観光客数 前年比 (1月 -71.48%)
3月24日
 16:00 3月 消費者信頼感指数 (2月 84.5)
3月25日 トルコ中銀金融政策決定会合議事要旨公表
 20:30 週次外貨準備高
3月26日
 16:00 3月 製造業景況感 (2月 109.3、予想 107.0)7
 16:00 3月 設備稼働率 (2月 74.9%、予想 75.0%)

注:ポイント要約は編集部

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