安値圏から急反発。米長期金利に振り回される不安定な展開
〇今週の南ア円、週明け早々リスクオフ再燃に6.97まで下落
〇その後南ア指標の改善、米長期金利低下によるリスク選好回復、プラチナ反発で7.33まで急伸
〇南ア円テクニカルの地合い強いが戻り売り出やすく、ファンダメンタルズも懸念材料多い
〇南ア円反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.05ー7.40
今週のレビュー(3/8−3/12)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.05円で寄り付いた後、@米長期金利高騰に端を発したリスクオフ再燃を背景に、週明け早々に、週間安値6.97円まで下落しました。しかし、ボリンジャーバンド下限や、90日移動平均線をバックに下げ渋ると、A南ア第4四半期GDP(結果6.3%、予想5.6%)の良好な結果や、B南ア1月製造業生産高(結果0.5%、予想▲0.7%)の力強い結果、C米長期金利低下に伴うリスク選好ムード(米長期金利低下→ドル安→株高→新興国通貨高)、D南アフリカの主要産品であるプラチナ価格の反発が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.33円まで急伸しました(2/24に記録した約1年ぶり高値7.35円に迫る展開)。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/13午前5時45分現在)では7.29円近辺で推移しております。
来週の見通し(3/15−3/19)
南アフリカランド円相場は、週初に記録した約1ヵ月ぶり安値6.97円をボトムに反発に転じると、週後半にかけて、一時7.33円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けするなど、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、上方には、2/24に記録した約1年ぶり高値7.35円が控えることから、ここからの続伸は容易ではない(戻り売りが出易い状況)と考えられます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア1ー3月期BER企業信頼感指数は冴えない結果)や、A米長期金利高騰を受けたリスクオフの再燃懸念(週末にかけて米長期金利は再び高騰。来週は米FOMCも予定されている為、米長期金利上昇・ドル高→エマージング通貨安の波及経路に要警戒)、B上記Aを背景としたプラチナ価格の反落リスクなど、南アランド円相場の下落を連想させる材料が残っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(南アランドそのものに主体性は見られず、米長期金利やプラチナ価格に振り回される展開が続く見込み。米長期金利上昇→プラチナ価格下落の波及経路が見られれば、今週の上げ幅を全て吐き出す全値押しも想定されることから、来週は米2月小売売上高や米FOMCなど、米国経済指標に要注目)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.05ー7.40
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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