トルコリラ週報:『上値の重い展開が継続か。来週はトルコ中銀会合に注目』(3/13朝)

3/18のトルコ中銀・金融政策決定会合では、現時点で追加利上げ派と据え置き派で市場の見方が割れている為、発表直後のボラティリティ上昇に注意が必要でしょう

トルコリラ週報:『上値の重い展開が継続か。来週はトルコ中銀会合に注目』(3/13朝)

上値の重い展開が継続か。来週はトルコ中銀会合に注目

〇今週のトルコ円国内インフレ懸念に週明け早々に13.98まで急落
〇その後はトルコのレイオフ禁止大統領令2か月延長、米長期金利低下により一時14.62まで急伸
〇トルコ円テクニカルの地合い悪化、ファンダメンタルズもトルコ売り材料増える
〇3/18トルコ中銀金融政策決定会合は見方分かれ波乱含み
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):13.85ー14.65

今週のレビュー(3/8−3/12)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.38円で寄り付いた後、@トルコ国内におけるインフレ懸念(先週発表されたトルコ2月消費者物価指数の伸び率加速)や、A上記@を背景とした催促相場(トルコ中銀に利上げを催促する形でトルコリラを売り込む動き)が重石となり、週明け早々に週間安値13.98円まで急落しました(1/26以来、約1ヶ月半ぶり安値圏)。

しかし、一目均衡表「雲」に続落を阻まれると、Bトルコ政府による「レイオフ禁止の大統領令を3/17から2ヵ月間延長する」との一部報道や、C米長期金利低下を背景としたドル売り・円売り圧力(リスク選好ムード再燃→ドル安・円安→株高→新興国通貨高)、D短期筋のショートカバー、EOECDによるトルコ経済成長率見通しの上方修正(2021年分を2.9%から5.9%へ上方修正)が支援材料となり、週後半にかけて、一時14.62円まで急伸しました。もっとも、一目均衡表基準線に続伸を阻まれると、引けにかけて再び反落。F米長期金利高騰に伴うリスクオフ再燃も重石となる中、本稿執筆時点(日本時間3/13午前5時30分現在)では14.41円前後まで反落する動きとなっております。

来週の見通し(3/15−3/19)

トルコリラの対円相場は、2/16に記録した約半年ぶり高値15.28円をトップに反落に転じると、今週初にかけて、約1ヶ月半ぶり安値となる13.98円まで急落しました(その後持ち直すも、週末にかけて再び反落)。一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、一目均衡表三役好転も終了するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となりつつあります(昨年11/6を起点に始まった上昇トレンドの終焉を連想)。

ファンダメンタルズ的に見ても、インフレ圧力の高進を背景に実質金利が押し下げられていること(来週3/18のトルコ中銀・金融政策決定会合に向けて、利上げ催促を目的としたトルコリラ売りが活発化する恐れあり)や、トルコ経済の先行き不透明感、米長期金利高騰に伴うリスクオフ再燃への警戒感(来週公表される米ドットチャートで利上げ見通しが前倒しされる恐れ)など、トルコリラ売りを連想させる材料が増えつつあります(中国当局による引き締め観測も過剰流動性相場の逆流を想起)。

以上を踏まえ、当方では、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は、3/12のトルコ1月鉱工業生産および1月小売売上高、3/15のトルコ2月財政収支、3/18のトルコ中銀・金融政策決定会合に注目が集まります。特に会合では、現時点で追加利上げ派と据え置き派で市場の見方が割れている為、発表直後のボラティリティ上昇に注意が必要でしょう(当方は政策金利の据え置きを予想している為、発表後はトルコリラの失望売りが強まる展開を想定)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):13.85ー14.65

注:ポイント要約は編集部

上値の重い展開が継続か。来週はトルコ中銀会合に注目

トルコ円日足

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る