トルコリラ円見通し 3日連続陽線で切り返す、4か月周期の底打ちとなる可能性
〇トルコリラ円、3/11夕刻14.61まで高値を切り上げ、その後いったん下げたが14.40台後半で推移
〇対ドル、3/11夕刻7.42リラへ上昇後いったん反落したが3/12午前にかけて7.47リラ挟んでの推移
〇トルコリラ円・トルコリラ/ドルともに3連騰・3日連続の日足陽線
〇トルコリラ円、3/8の安値で4か月周期の底を付けて、上昇期に入るか
〇14.40以上での推移なら昇余地ありとし、14.60超えからは14.70前後への上昇を想定する
〇14.35割れからは、14.20前後への下落を想定する
【概況】
トルコリラ円は3連騰、3日連続の日足陽線で上昇した。3月11日夕刻に14.61円まで高値を切り上げ、その後は米長期債利回りが低下から上昇に転じたことで上昇一服となり11日深夜には14.35円までいったん下げたが、14.40円割れは買い戻されて12日早朝にかけては14.40円台後半で推移している
対ドルでのトルコリラは3月9日から3日連続の日足陽線で上昇した。3月11日夕刻に7.42リラへ上昇した後は上げ一服となり、米長期債利回りが再上昇した局面では7.55リラまでいったん反落したが買い戻され、12日午前序盤にかけては7.47リラを挟んでの推移となっている。
トルコの10年債利回りは3月9日に13.57%まで上昇した後は上げ渋りとなり11日は13.51%で終了している。昨年11月に11.57%まで低下したところからの持ち直し基調は継続中だ。
イスタンブール100株価指数は11日に1580.03ポイントへ上昇して1月21日の最高値1582.04ポイントへあと一歩へ迫ったが高値更新には至らずに利益確定売りに押されて前日比は0.54%安で終了した。
3月11日に発表されたトルコの1月経常収支は18.7億ドルの赤字で12月の32.3億ドルの赤字からは減少、市場予想の20億ドルの赤字見通しを若干下回った。3月5日時点の週次の外貨準備高は532億ドルで前週の545億ドルからは若干減少した。
【4か月周期の底を付けて上昇再開に入るか】
トルコリラ円は11月6日底からの反騰基調にあるが、11月6日底からの上昇は概ね40週前後の周期による底打ちサイクルでの反騰であり、この40週前後のサイクルは20週前後=日足では4か月前後の周期のサイクル2つ組で構成されている。
2018年8月13日底以降における20週=4か月サイクルの底打ちは、21週目の2019年1月3日、19週目の2019年5月9日、17週目の2019年8月26日、20週目の2020年1月8日、18週目の2020年5月7日に付けており、2020年11月6日底は27週目とやや時間がかかったが、11月6日底から3月8日安値が19週目であり、このサイクルの底打ちとなった可能性がある。
40週サイクルの戻りは、2018年8月13日底から16週目の同年11月29日高値で一巡して下落に転じており、今回も昨年11月6日底からちょうど16週目の2月16日高値から下落したことで、2018年11月からの下落再開時と同様の展開になる可能性も警戒されるのだが、20週=4か月サイクルの底打ちから2月16日高値を超える展開に入れば、40週サイクルにおける11月6日からの上昇もさらに伸びて行くことになる。
2014年1月27日底からの反騰では、16週目の同年5月14日高値でいったんピークを付けたが同年12月5日へと上昇を継続して一段高している。今回も2月16日高値を超えるところへ進めば春から初夏にかけての間へ上昇期が継続してゆく可能性も出てくるのではないかと思われる。ただし、3月8日安値を割り込む場合は、次の20週=4か月サイクルの下落期に入ってしまう可能性も出てくる点に注意したい。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月5日夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、3月9日未明安値からの反騰が続いたために10日午前時点では3月9日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。またトップ形成期は10日夜から12日夜にかけての間と想定し、14.15円以上での推移中は上昇余地ありとした。
3月11日夕刻へ高値を切り上げてから深夜にいったん反落したもののその後は持ち直している。すでに反落警戒期に来ているので、11日深夜安値を割り込む場合は弱気サイクル入りとして12日の日中から16日未明にかけての間への下落を想定する。ただし、11日深夜安値を割り込まずに高値を更新する場合はサイクルトップ形成の継続か、11日深夜安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りの可能性も検討される。
60分足の一目均衡表では3月10日午前への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンからも上抜けた。その後も両スパン揃っての好転を維持しているが遅行スパンは悪化しやすい位置にある。遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先とする。その際は先行スパン下限が下値支持帯と想定されるが、先行スパン転落からは下げ足が早まる可能性もあると注意する。
60分足の相対力指数は11日夕刻の80ポイント台に到達してから50ポイント割れへ急落した。その後は50ポイント台を維持しているので65ポイント超えからは上昇再開とみるが、45ポイント割れからはいったん下げに入るとみて30ポイント以下への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.35円を下値支持線、14.60円を上値抵抗線とする。
(2)14.40円以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとし、14.60円超えからは14.70円前後への上昇を想定する。14.70円以上は反落注意とするが、14.50円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.35円割れからは14.20円前後への下落を想定する。14.20円前後は買い戻されやすいとみるが、14.35円を割り込んだ後も14.40円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
3月12日
16:00 1月 鉱工業生産 前年同月比 (12月 9.0%、予想 8.5%)
16:00 1月 鉱工業生産 前月比 (12月 1.3%)
16:00 1月 小売売上高 前年同月比 (12月 0.6%、予想 2.3%)
16:00 1月 小売売上高 前月比 (12月 -4.2%、予想 3.4%)
3月15日
17:00 2月 財政収支 (1月 -241.5億リラ)
3月18日
20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 17.0%、予想 17.0%)
注:ポイント要約は編集部
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