ドル高リスク継続だが、調整への警戒も強い(3/8夕)

週明け8日の東京市場はレンジ取引。日米株の動きなどをにらみつつ、108円前半における25ポイント程度の揉み合いに終始した。

ドル高リスク継続だが、調整への警戒も強い(3/8夕)

ドル高リスク継続だが、調整への警戒も強い

〇本日のドル円、108円前半における25ポイント程度の揉み合いに終始
〇米上院6日にバイデン大統領の提示した1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案可決
〇3月相場動意の兆し、ドル円上昇継続に期待の声も
〇一方で長期金利利回り高止まりマイナス面に注目集まり、短期的には調整の動きに要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ107.80-108.80

<< 東京市場の動き >>

週明け8日の東京市場はレンジ取引。日米株の動きなどをにらみつつ、108円前半における25ポイント程度の揉み合いに終始した。

先週末、全人代開催にともなう中国サイドからの発言やニュースが相次ぐなか、米上院が現地時間6日、バイデン大統領の提示した1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を民主党議員の賛成のみで可決している。
そうした状況下、ドル/円は108.30円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。新規材料に欠けたこともあり、全体的には様子見ムードが強かった。108.25-50円といったレンジ取引をたどり、16時現在では108.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、カナダ/円の騰勢はいまだ止まらず。一時85.90円レベルまで値を上げ、年初来高値を再び更新している。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米国情勢」について。
前者は、国会に相当する全人代が5日開幕したこともあり、中国絡みの話題がともかく多い。たとえば、中国副首相は香港の林鄭行政長官と会談し、「香港選挙制度の見直しを指示」。それについて、米国務長官が「香港の自由と民主的手続きへの直接的な攻撃だ」と非難したものの、中国サイドもすかさず反撃し、「見直しは香港を乱す者を追い払うため」だと正当化するコメントを発表していた。そのほか中国外相から「東京オリンピックを通じた日中関係発展に意欲」、「海警法は国際法に完全に合致」−−などといった硬軟取り混ぜた発言がいくつも聞かれている。

対して後者は、米財務長官から「長期金利上昇は景気回復への期待の表れ」、米国防長官による「中国は軍の近代化や増強を進め、米国との軍備の差を縮めようとしている」といった発言が聞かれていた。また、バイデン氏が巨大IT企業の解体論者で知られるコロンビア大学のウー教授を補佐官に起用したことが明らかとなり、こちらも話題に。そのほか、「米韓が米軍駐留費負担増で合意」、「バイデン氏が菅首相を招待、4月に訪米し首脳会談へ」−−といった報道も別途確認されている。

<< 欧米市場の見通し >>

今年2月、月間を通して2.3円ほどしか動かなかったドル/円が、3月に入った途端1週間で2.2円強と、ほぼ同じだけの変動を記録している。思い起こせば、昨年の3月相場も「新型コロナの蔓延はじまる」といった材料をもとに、米株が急落。為替市場も「ミニ・フラッシュクラッシュ」が観測されるなど荒れ模様の相場付きだった。足もとの今年3月相場もようやく動意の兆しがうかがえはじめているだけに、流れの継続を期待する声が少なくないようだ。
このあとの欧米タイム、引き続き注視されているのは米株と長期金利の動き。ただ、上昇が続くことへの警戒感に加え、とくに金利については、利回り高止まりによるマイナス面も一部で取り沙汰され始めており、風向きの変化も感じさせる。短期的には、むしろ調整の動きに要注意であるのかもしれない。なお、材料面からドルや円以上にポンドの動きを警戒する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末108.64円まで上昇。基本的なリスクは引き続きドル高方向で間違いないだろう。
昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは、76.4%戻しにあたる108.15円を超えており、次なるターゲットは100%戻し。つまり、109.85円となる。ただ、過熱感を指摘する声もあり、目先は調整への警戒感も指摘されていた。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月卸売在庫や同卸売売上高といった米経済指標が発表される見込み。それほど注目度が高い指標ではないものの、先週末に発表された2月の米雇用統計が好数字だっただけに、良好な内容を期待する声も多いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.80-108.80円。上方向は、先週末のドル高値である108.64円の攻防にまずは注目。超えれば109円台もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、先週末に米雇用統計発表後につけたドル安値108.10円レベルが最初のサポート。下回れば108円割れを否定できないが、それでも107.80円前後では取り敢えず下げ止まる展開か。

ドル高リスク継続だが、調整への警戒も強い

ドル円日足


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