シカゴポジション(CME)272
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年3月2日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
前週のシカゴはオセアニア通貨ではドル売り、円・ユーロではドル買いになりました。シカゴ締日以降は4通貨共に一段とドル買いが強まっています。シカゴにとってはオセアニア通貨がアゲインストしました。また、ユーロはまだ10万枚以上のロングをキープしているので、過去のパターンではユーロの押し目を拾ってきそうです。
シカゴのNZドルはロングを積み増してきました。先週はロング1,400枚増、ショート400枚減で、差し引き1,800枚のネットロング増で、16,400枚となりました。トレンド作るには20,000枚まで直ぐにあげる必要があります。因みに前回のロングは2018年3月まで遡り、当時は2,800枚のネットショートを僅か1週で19,600枚のネットロングに切り返し、その後最大で27,000枚越えまで積み上げました。今回5,000枚(当時のスポットは0.6582ドル)のロングを積み上げたのが昨年10月で、回転効かせながらのNZドル高でしたので、押し目での買い余力は十分にあると思います。一方で、前回のロング期間が2017年、2018年とほぼ各22〜23週間で、今回は既に29週経過しています。時間的には買い余力は少なくなっています。チャートを見ると、赤のNZドル高トレンドラインは今週0.7020〜0.7470にあり、この間の緑の抵抗線は0.7360で絡みながらの推移でしたが、先週の木・金でNZドルは大きく売られており、現在はトレンドライン下限に近付く動きです。まだ明日の締日では下値余地がありますが、時間経過で怪しくなります。
さて、実際の相場は、先週示した11月下旬底値からのNZドル高サポートライン0.7170を木曜日に割りました。現在は0.7200で抵抗線になっています。もう1つは2020年6月底値からのサポート0.6770とそこから平行に上げたラインが0.7060にあり、これまでNZドル高トレンドラインを上回って推移しています。従いまして、もし0.7060未満で終わると、この0.6770〜0.7060のラインに入ってしまいます。この場合は0.7030と0.70の大台代わりのサポートまでトライする動きになりそうです。上値は0.7200を越えていけば、0.7240〜50、0.7280〜90に抵抗線が控えています。流れは米ドル全面高の中で、リスクは下値にありますので、オセアニア通貨が踏ん張れるか注目します。(1NZドル=0.7156ドル、3月8日13:45)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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