心理的節目7.00円を巡る攻防継続。プラチナ価格の急落も重石
〇南ア円南ア政府のコロナ警戒レベル引き下げに週央7.19まで上昇
〇その後は米長期金利上昇棋院の世界的株安、プラチナ価格下落に7.02まで下落
〇南ア円テクニカルの地合い悪化、ファンダメンタルズも南ア円下落要因増加
〇南ア円の下落がメインシナリオ、米長期金利動向、商品市況要注視
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.85ー7.20
今週のレビュー(3/1−3/5)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.05円で寄り付いた後、@南アフリカ政府による新型コロナ警戒レベルの引き下げ(夜間外出禁止時間の短縮・集会の許可・酒類の店頭販売の通常営業許可など)や、A上記@を背景とした南アフリカ経済の回復期待が支援材料となり、週央にかけて、週間高値7.19円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、BパウエルFRB議長によるタカ派寄りの発言に端を発したリスク回避ムードの再燃(米長期金利上昇→株価下落)や、C南アフリカの主要輸出産品であるプラチナ価格の急反落が重石となり、週末にかけて、7.02円まで下落する動きとなりました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/6午前6時00分現在)では7.05円近辺で推移しております。
来週の見通し(3/8−3/12)
南アフリカランド円相場は、先月2/24に記録した約1年ぶり高値7.35円をトップに反落に転じると、2/26にかけて、一時7.01円まで急落しました(今週も同水準での冴えない動きが継続)。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、上昇トレンドの終焉を意識させるチャート形状が確認されます(来週はこれまで南アランドの地合を保ってきた一目均衡表三役好転の終了に警戒=来週後半にかけて一目均衡表遅行線がローソク足を下抜ける可能性あり)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(前週に発表された南ア第4四半期失業率は一段と悪化)や、A米長期金利高騰に端を発した世界的なリスク回避ムード(米長期金利上昇→株式市場や商品市況の下落→リスク回避のエマージング通貨売り)、B南アフリカの主要産品であるプラチナ価格の急反落(約1ヵ月ぶり安値圏へ急落)など、南アランドの続落を意識させる材料が増えつつあります。
以上の通り、南アランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、ダウンサイドリスクが警戒されます。米長期金利の動向や、それに伴う商品市況の動向(特にプラチナ価格)、南ア経済指標の結果(来週は南ア2月SACCI景況感指数、南ア第4四半期実質GDP、南ア1月製造業生産高、南ア1月小売売上高、南ア第4四半期経常収支などイベント目白押し)を睨みながらも、当方では、引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目7.00円の下方ブレイクを想定。同水準を下抜けた場合には、短期筋のロスカット主導で南アランドが大きく値を崩す可能性あり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.85ー7.20
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
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