トルコリラ週報:『安値圏で下げ渋る展開。200日線を巡る攻防が継続』(3/6朝)

週後半にかけて、週間安値14.22円まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/6午前6時00分現在)では14.38円前後で推移しております。

トルコリラ週報:『安値圏で下げ渋る展開。200日線を巡る攻防が継続』(3/6朝)

『安値圏で下げ渋る展開。200日線を巡る攻防が継続』

〇今週のトルコ円4QGDPの不冴え、CPI上昇による実質金利低下、米長期金利高騰に14.22まで下落
〇トルコ円安値圏での取引続く
〇200日線でかろうじてサポートされるも予断許さず同水準を下回ると上昇トレンド終焉も視野に
〇ファンダメンタルズもトルコ売り材料増える
〇トルコ円下落がメインシナリオ、来週の予想レンジ(TRYJPY):13.90ー14.70

今週のレビュー(3/1−3/5)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.35円で寄り付いた後、早々に週間高値14.79円まで上昇しました(先週末金曜日に大きく売り込まれた反動=短期筋のショートカバー)。しかし、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドをバックに続伸が阻まれると、@トルコ第4四半期GDP(結果5.9%、予想6.9%、前回6.3%)の冴えない結果(※直後は材料出尽くしのリラ買いで反応するも一巡後にリラ売りで反応)や、Aトルコ2月消費者物価指数(結果15.61%、予想15.40%、前回14.97%)の伸び率加速、B上記Aを背景とした実質金利の低下(トルコ中銀による2会合連続据え置きに対して、市場が利上げ催促を目的としたリラ売りを仕掛けるとの思惑)、CパウエルFRB議長の発言に端を発したリスク回避ムードの再燃(米長期金利高騰→リスクアセット売却)が重石となり、週後半にかけて、週間安値14.22円まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/6午前6時00分現在)では14.38円前後で推移しております。

来週の見通し(3/8−3/12)

トルコリラの対円相場は、2/16に記録した約6ヵ月半ぶり高値15.28円をトップに反落に転じると、2/26にかけて、一時14.18円まで下落しました(今週はやや持ち直すも引き続き安値圏での推移)。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(市場参加者に注目される200日移動平均線に辛うじてサポートされるも、予断を許さない状況が継続。同水準をクリアに下抜ければ、昨年11/6を起点に始まった上昇トレンドの終焉が視野に入ることから、来週は地合いの一段の悪化に警戒が必要)。

ファンダメンタルズ的に見ても、トルコ経済の下振れ懸念や、インフレ加速に伴う実質金利の低下(3/18に予定されているトルコ中銀・金融政策決定会合に向けて、利上げ催促を目的としたトルコリラ売りが強まる恐れあり)、米長期金利高騰に伴う世界的なリスクオフ再燃(ブラックアウト期間入りで米当局者発言が禁じられる為、来週は米長期金利の乱高下を通じた市場の一段の不安定化に要警戒)など、トルコリラ売りを連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(来週は、3/10のトルコ12月失業率、3/11のトルコ1月経常収支、3/12のトルコ1月鉱工業生産、トルコ1月小売売上高に注目。トルコ経済の鈍化が示された場合には、トルコリラ円相場が200日線をクリアに割り込み、ストップを巻き込みながら大きく値を崩す可能性があるため注意が必要)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):13.90ー14.70

注:ポイント要約は編集部

『安値圏で下げ渋る展開。200日線を巡る攻防が継続』

トルコリラ円日足

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