トルコリラ円レポート月曜版
〇トルコリラ円、安値14.65、高値14.97と狭い値幅でのもみあいに
〇今週開かれるトルコ中銀の内容に注視、現状維持予想も一部利上げの予想も
〇ワクチン接種に伴う世界の成長が今後半年ほど強くなり、米ドルは他の通貨に対して弱くなるとの見通し
〇新興国通貨は主要通貨よりも強い地合いとなっている為、新興国通貨にとって好材料との思惑
〇今週は14.75レベルをサポートに15.20レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「15円台ではいったん短期トレーダーの利食いも出てくること、また前週後半の安値圏をサポートと考え、14.60レベルをサポートに15.20レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が14.65レベル、高値が14.97レベルとなり前週高値までで15円の大台示現とはならず、思ったよりも狭い値幅でのもみあいが続きました。
先週のトルコリラは、前週末に14.97レベルの高値をつけたものの大台乗せ出来なかったことから売りが先行したものの下値もしっかりしていて、週末に向けては再び14.97レベルの高値を回復する動きとなりました。また、今週のトルコ中銀会合を控えて材料的には目立ったものが無かったことも動きを鈍くしたと考えられます。
今週は注目のトルコ中銀の会合が18日に開かれますが、前回の会合では現状維持(17.0%)ではあったもののトルコ中銀総裁は引き締めを継続する姿勢を示しているため、今週の会合では現状維持予想がコンセンサスではあるものの、一部に利上げ予想もあるようです。仮に利上げを行ったとしても利上げ幅はそれほど大きくはならないと思われますし、今回の会合でも前回同様にタカ派的コメントを出しておけば失望も無いでしょうから、現状では利上げは温存しておく可能性が高いように思えます。
そして週末に出たゴールドマンの記事が新興国通貨に良い影響を与えるかもしれないと思ったものがありました。同社は新型コロナウイルスのワクチン接種に伴う世界経済の回復を背景に世界の成長が今後6か月程度強くなること、そしてそうした動きの中で米ドルはその他の通貨に対して弱くなるとの見通しを示しました。そして、最近の新興国通貨は主要国通貨に比べても強い地合いとなっていることから、この見通しは新興国通貨にとって好材料となるのではないかという思惑が出ています。
今週はドルトルコリラの週足チャートからご覧ください。
実際にトルコリラは対ドルの動きで昨年11月の最安値(ドル最高値)の8.5776レベルから先週は7.0070レベルと18.3%強くなっていて、大台7.0を下回ると一段のトルコリラ高に繋がるという見方が増えています。昨年夏以降のトルコリラ急落の前には6.85近辺(黄色のラインマーカー)でトルコリラの防衛をしていたことを考えると、7.0を下回った場合のターゲットとしては6.85という水準が見えてきます。
先週はトルコリラ円が15.0円、ドルトルコリラが7.00を目前に止められていますが、今週はトルコ中銀の会合を前にした思惑で一度は同水準を試す可能性も高いのではないかと考えられます。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
上段のトルコリラ円には15円、中段のドルトルコリラには7.0の位置にピンクの水平線を引いてみました。どちらもあとわずかのところに位置していますので、7.0を下回る時には先週ターゲットとしていた15.20が視野に入ってくるものと考えられます。
今週はトルコ中銀思惑によるドルトルコリラの動向の影響が大きいものの、ドルトルコリラ7.0下抜けの可能性から14.75レベルをサポートに15.20レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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