トルコリラ円見通し 15.10円台へ到達、2月8日高値を超えて11月6日底以降の高値を更新(21/2/16)

トルコリラ円は2月15日夜に15.16円まで上昇、2月8日高値15.00円を超えて昨年11月6日以降の高値を更新した。

トルコリラ円見通し 15.10円台へ到達、2月8日高値を超えて11月6日底以降の高値を更新(21/2/16)

15.10円台へ到達、2月8日高値を超えて11月6日底以降の高値を更新

〇トルコ円、2/15夜に15.16まで上昇、2/8高値15.00を超え昨年11/6以降の高値を更新
〇アジア・欧米の株高により、為替市場ではリスク選好強まる
〇2/18トルコ中銀金融政策決定会合、今回も政策金利は現状維持とみられる
〇15.05以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは、15.20超えを目指すとみる
〇15円割れからはいったん下げに入るとみて、14.90台への下落を想定

【概況】

トルコリラ円は2月15日夜に15.16円まで上昇、2月8日高値15.00円を超えて昨年11月6日以降の高値を更新した。
2月15日は米国市場が休場だったが、日経平均の3万円台到達などアジア株が全面高となり、欧米の主要株価指数先物も日中から上昇、英FT100株価指数が2%を超える大幅高となるなど株高継続感が強まり為替市場ではリスク選好からユーロ、ポンド等のメジャー通貨の他、豪ドルや南アランド等のコモディティー通貨が上昇、新興国通貨も強含みとなる中でトルコリラも対ドルで6.94リラまで上昇して昨年11月6日以降の高値を更新した。
ドルストレートでのドル全面安の一方、クロス円も全面高=円安となり、ドル円も2月10日から4連騰の上昇となった。クロス円における円安効果と共に、先週末に米10年債利回りが1.21%へ上昇して年初来高値を更新してきたことで米長期債利回り上昇の継続感がドル円における円安感を助長したことが背景と思われるが、トルコリラ円としては対ドルでのリラ高とドル円での円安の両面から押し上げられる形となった。

【感染者減少傾向、ワクチン普及による株高】

2月15日のイスタンブール100株価指数は前日比1.56%高と上昇した。アジア、欧米株高と同調するものだが、2月15日の英FT100株か指数が前日比2%を超える上昇となったのはワクチン普及とロックダウン解除への期待が強まったことが背景であり、世界的な金融緩和による金余りの中でアフターコロナ復興期待での株高継続感がややバブルの様相も見せつつも継続しており、新興国通貨高と共に新興国株高も勢い付いている。
トルコ保健省によれば、1月13日にコジャ保健相等の新型コロナウイルス科学委員会メンバーがワクチン接種を受け、1月14日から医療従事者等における全国のワクチン接種が始まっている。保健相によれば2月15日時点でワクチン接種者数は400万人を超えたという。

世界の新規感染者数は一時80万人を超えるところまで拡大していたが直近では40万人を切っている。トルコは世界9位の累計感染者数だが、新規感染者数は12月のピーク時に3万人を超えたが直近では7千人台まで低下し、1日の死者数もピーク時に200人を超えていたが直近では100人以下へ減っている。こうした減少傾向と共にワクチンの普及も進み、先行きへの楽観が高まっている状況といえる。

2月18日にはトルコ中銀金融政策決定会合が控えている。アーバル総裁は就任後の2会合連続で大幅利上げを決定し、前回会合では現状維持としたものの必要であれば追加利上げの可能性があると引き締め姿勢の維持を強調した。今回の会合も現状維持とみられているが、引き締め姿勢の継続を示せば市場の信認も継続しうる。トルコリラも対円及び対ドルで昨年11月6日までの史上最安値の流れからの揺れ返し上昇を続けやすい環境といえるのではないか。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月9日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして11日午後から15日夕にかけての間への上昇を想定してきたが、12日夜高値から15日朝安値へ小反落してから一段高に入ったため、15日朝安値を直近のサイクルボトムとして新たな強気サイクルに入ったと思われる。高値形成期は17日夜から19日夜にかけての間と想定されるので15円以上を維持しての推移中は一段高余地ありとし、弱気転換は15円割れから続落するような反落発生からとする。

60分足の一目均衡表では2月11日夜の上昇により遅行スパンが好転、先行スパンを上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし新たな高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からは弱気転換注意とし、先行スパン転落からは下げ再開と見て遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月15日夜の上昇時に80ポイントを超えるところまで上昇した。相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がるようなら弱気逆行発生として50ポイント割れからの下げ再開を疑うが、弱気逆行が見られない場合及び50ポイント以上での推移中はまだ上昇余地ありとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、15.00円を下値支持線、15.20円を上値抵抗線とする。
(2)15.05円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは15.20円超えを目指すとみる。15.27円以上は反落注意とするが15.10円以上での推移なら17日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)15円割れからはいったん下げに入るとみて14.90円台への下落を想定する。14.95円以下は反騰注意とするが、15円を割り込んでの推移なら17日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月17日
 18:30 1月自動車生産台数 前年比 (12月 10.2%、予想 7.5%)
2月18日
 16:00 2月消費者信頼感指数 (1月 83.3、予想 80.2)
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 17.0%、予想 17.0%)
 20:30 週次外貨準備高 2/12時点 (2/5時点 543.7億ドル) 
2月22日
 16:00 2月製造業景況感 (1月 107.0、予想 95.1)
 16:00 2月設備稼働率 (1月 75.4%)
 17:00 1月観光客数 前年同月比 (12月 -67.44%)
2月25日
 16:00 2月経済信頼感指数 (1月 96.2)
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合議事要旨


注:ポイント要約は編集部

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