トルコリラ円見通し 日足は7日連続陽線の後、8日ぶりに陰線(21/2/9)

日足で7日連続の陽線での上昇だったが、15円の大台到達には推進力不足としていったん仕切り直しの調整安が入った印象だ。

トルコリラ円見通し 日足は7日連続陽線の後、8日ぶりに陰線(21/2/9)

トルコリラ円見通し 日足は7日連続陽線の後、8日ぶりに陰線

〇トルコリラ円、2/8夕刻14.99まで上昇したが15円にはあと一歩届かず、2/8深夜には14.78まで失速
〇日足で7日連続陽線の後8日ぶりの陰線、いったん仕切り直しの調整安が入った印象
〇対ドル、2/5深夜に7.02リラまで上昇、11/6以降の高値を更新
〇イスタンブール100株価指数、NYダウに連動する形で上昇
〇NYダウ・トルコ株価指数の上昇がトルコリラ高を側面で支えている印象
〇14.90以下での推移中は一段安余地あり、14.75割れからは14.60台前半への下落を想定
〇14.90超えからは上昇再開の可能性が高まるとみて、14.99試しへ向かうとみる。

【概況】

トルコリラ円は2月5日深夜に14.97円まで上昇して15円の大台に迫り、8日午前の取引再開時に14.87円まで下げてから夕刻には14.99円まで上昇したが15円にはあと一歩届かず、8日深夜には14.78円まで失速した。1月18日を押し目底として1月7日高値を超えて高値追及の流れが続き、2月5日までは日足で7日連続の陽線での上昇だったが、15円の大台到達には推進力不足としていったん仕切り直しの調整安が入った印象だ。
2月8日の反落はトルコリラの独自材料は見られず、夕刻までは米長期債利回り上昇によるドル高圧力もかかっていたがその後は米長期債利回りも低下し、株高と同調してユーロやポンド、豪ドル及び新興国通貨も総じて上昇していたため、トルコリラも上昇しやすい状況だったが、対ドルでのトルコリラが夜にかけて一時下げたこととドル円が2月5日夜高値の後は伸びずに8日深夜に反落したことが響いた印象だ。

【対ドルでのトルコリラは堅調さを維持】

対ドルでのトルコリラは2月5日深夜に7.02リラまで上昇して11月6日以降の高値を更新した。2月1日に1月7日高値を超えて一段高に入ってからは連日のように高値を徐々に切り上げており、8日夜にかけて7.11リラまで一時的に反落したものの早々に切り返して9日午前はほぼ半値を戻した7.07台で取引されている。

2月8日のNYダウは前日比237.52ドル高と上昇して6連騰となる3週ぶりに史上最高値を更新、ナスダック総合指数も3日連続で史上最高値を更新しており、米国株式市場の先高感、楽観的な強気感は益々増長している。米国株高が世界的な株高をけん引しており、トルコのイスタンブール100株価指数も1月21日に1582.04の最高値を付けてから1月28日安値1431.32まで大きな調整安を入れたのはNYダウが大幅下落したところと同調していたが、その後はNYダウの連騰と共にV字反騰に入っており、2月5日には1549.51まで戻し、8日は取引時間中の高値切り上げへは進めなかったものの終値ベースでは前日比0.51%高と上昇している。
トルコ経済指標も観光収入を除けば製造業面を中心に概ね良好な状況にあり、トルコ国内のワクチン普及も進み始めて感染拡大ペースも抑制が効いてきている状況にあり、NYダウの上昇と共にトルコ株価指数の上昇がトルコリラ高を側面で支えている印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月3日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして5日午後から9日夕にかけての間への上昇を想定してきた。8日夕刻へ15円円へ迫るところまで高値を切り上げたが、深夜に14.80円を割り込むところまで反落したため、8日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は8日午前から10日午前にかけての間と想定されるので既に反騰注意期に入っているが、14.90円台を回復できないうちは9日夜から10日午前にかけての間へ一段安する可能性が残る。14.90円超えからは強気転換注意として8日夕高値試しとし、高値更新からは新たな強気サイクル入りとして11日夜から15日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では8日深夜への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しつつある。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は5日夜から8日夕刻への高値更新に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が発生してから下落に転じているので、50ポイント前後までを抵抗として30ポイント以下への一段安余地ありとし、50ポイント超えから続伸に入る場合は上昇再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.75円を下値支持線、14.90円を上値抵抗線とする。
(2)14.90円以下での推移中は一段安余地ありとし、14.75円割れからは14.60円台前半への下落を想定する。14.65円以下は反騰注意とするが14.85円以下での推移なら10日午前にかけての一段安余地が残るとみる。
(3)14.90円手前は戻り売りも出やすいとみるが、14.90円超えからは上昇再開の可能性が高まるとみて8日夕高値14.99円試しへ向かうとみる。15円手前ではもう一度売られやすいとみるが、15円乗せからは15.20円前後を目指す流れに入ると考える。また14.90円以上での推移なら10日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。

2月10日
 16:00 11月失業率 (10月 12.7%、予想 13.2%)
2月11日
 20:30 週次外貨準備高 2/5時点 (1/29時点 533.7億ドル)
2月12日
 16:00 12月経常収支 (11月 -406憶ドル)
 16:00 12月鉱工業生産 前年同月比 (11月 11.0%)
 16:00 12月小売売上高 前年同月比 (11月 11.9%)
 16:00 12月小売売上高 前月比 (11月 2.2%)
2月15日
 17:00 1月財政収支 (12月 -407億リラ)
2月17日
 18:30 1月自動車生産台数 前年比 (12月 10.2%)
2月18日
 16:00 2月消費者信頼感指数 (1月 83.3)
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 17.0%、予想 17.0%)
 20:30 週次外貨準備高 2/12時点 


注:ポイント要約は編集部

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る