『約半年ぶり高値圏へ急伸。200日移動平均線もついに突破』
〇トルコ円経済指標の良化、中銀総裁のタカ派発言に半年ぶり高値14.99まで急伸
〇テクニカルには200日線突破三役好転で地合いの強さ確認される
〇ファンダメンタルズも中銀のタカ派姿勢確認、地政学リスク後退等上昇材料多い
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):14.70ー15.30
今週のレビュー(2/1−2/5)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.31円で寄り付いた後、@トルコ1月製造業PMI(結果54.4、前回50.8)の力強い結果や、Aテクニカル的なトレンド転換(200日移動平均線を約1年ぶりに突破)、Bトルコ1月消費者物価指数(結果14.97%、予想14.70%、前年同月比)及び、Cトルコ1月生産者物価指数(結果26.16%、予想24.6%、前年同月比)の伸び率加速(インフレ加速→トルコ中銀による追加利上げ観測)、D外貨準備の更なる増加(外貨準備不足懸念が後退)、Eトルコ中銀アーバル総裁による「利下げは今年のかなり先まで検討しない。状況次第で追加利上げもあり得る」とのタカ派的な発言が支援材料となり、週末にかけて、約半年ぶり(昨年8/6以来)高値となる14.99円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/6午前5時20分現在)では14.91円前後で推移しております。
尚、今週はトルコ内相のソイル氏が、「2016年のクーデター未遂は米国が背後に存在」と発言し、米国務省がそれを即座に否定する一幕が見られましたが、相場への影響は見られませんでした(米土関係の悪化は通常リラ売りで反応するケースが多いですが、今週は無反応→地合いの強さを再確認)。
来週の見通し(2/8−2/12)
トルコリラ円相場は、週末にかけて、約半年ぶり高値14.99円まで急伸しました。この間、市場参加者に注目されていた200日移動平均線(14.35円)を約1年ぶりに突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、バンドウォークも成立するなど、テクニカル的な地合いの強さが確認されます(200日線を突破したことで長期下落トレンドの終焉を示唆)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による金融引き締めスタンスの明確化(アーバル総裁は今週、更なる利上げの可能性を示唆すると共に、利下げ検討は今年の終盤まで行わない旨発言)や、A地政学的リスクの後退(ギリシャを含むEU諸国との関係修復期待)、B外貨準備の持ち直し(昨年11月をボトムに増加傾向)、C足元で広がるリスク選好ムード(株式市場の堅調推移)など、トルコリラの上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方ではトルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は12月経常収支や、12月鉱工業生産、12月小売売上高など、トルコの主要経済指標が目白押しとなります。市場予想を上回る結果となれば、心理的節目15.00円を突破し、昨年8/4高値15.35円を試すシナリオも想定される為、アップサイドリスクに注意が必要でしょう。
来週の予想レンジ(TRYJPY):14.70ー15.30
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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