トルコリラ円見通し 2月2日高値を上抜き11月6日以降の高値を更新(21/2/5)

4日夜の上昇で14.79円を付けて2日夕高値を上抜いて一段高に入った。

トルコリラ円見通し 2月2日高値を上抜き11月6日以降の高値を更新(21/2/5)

トルコリラ円見通し 2月2日高値を上抜き11月6日以降の高値を更新

〇トルコリラ円、2/4夜上昇、14.79を付けて2/2夕高値を上抜き、一段高に入る
〇対ドル、2/4夜には7.09リラの高値を付け、2/2夕高値に迫る堅調な推移
〇イスタンブール100株価指数は2/1から4連騰、米国株式市場の楽観的な先高感に支えられる
〇2/4発表の週次外貨準備高553.7億ドルへ積み上げる、外貨準備高不足への懸念も後退している印象
〇14.70以上での推移か一時的な割込みのうちは上昇余地あり、14.85超えからは14.90を目指すとみる
〇14.63割れからはいったん下げに入るとみて、14.55前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円は2月2日夕刻に14.77円まで上昇して昨年11月6日以降の高値を更新した後は上昇一服と高値警戒感から2月3日朝に14.47円まで反落したが、突っ込んだところは買い拾われて14.60円台へ持ち直し、2月4日夕刻までは14.60円を割り込むところは買い戻されつつ新たな高値更新へ進めずに持ち合いの様相で推移していたところ、4日夜の上昇で14.79円を付けて2日夕高値を上抜いて一段高に入った。

【対ドルでのトルコリラは堅調】

2月4日の為替市場では米長期債利回りの上昇が続いて全般的なドル高が続いたが、英中銀によるマイナス金利導入はまだ先とされたことでポンドが急反発、豪ドル等は下げてドル円でもドル高円安が継続したが、対ドルでのトルコリラは1月18日以降の上昇基調を継続しており、2月2日に7.08リラの高値を付けたところから2月3日昼に7.20リラまで小反落したところから上昇再開に入っており、2月4日夜には7.09リラの高値を付けて2月2日夕高値に迫っている。

イスタンブール100株価指数は2月4日は小幅な上昇にとどまったものの2月1日から4連騰で上昇している。先週末まで大幅下落していたNYダウが今週に入ってから4連騰となり、ナスダック総合指数も4日には8日ぶりの最高値更新となるなど米国株式市場の楽観的な先高感が回復しており、トルコ株式市場も支えられている。
米10年債利回りは米国株高による売り圧力と来週の大量国債入札予定を前に急上昇を続ており、2月4日には1.16%まで上昇してユーロや円が圧迫されているが、トルコ10年債利回りは2月4日時点で13.14%であり、11月に11.5%台まで低下した後は持ち直して13.17%から12.4%台までのレンジで確りしており、2度の利上げもあって高金利通貨としての立ち位置も回復気味のため、米長期債利回り上昇による全般的なドル高圧力は受けているものの影響は限定的だ。

2月4日に発表された週次の外貨準備高は1月29日時点で553.7億ドルとなり1月23日時点の505億ドルから積みあがっている。昨年11月には400億ドルすれすれまで縮小していたがその後はトルコリラの反騰局面において相場に影響を与えずに外貨準備高を拡大する流れとなっており、徐々に持ち直してきたことで昨年11月6日の史上最安値更新時に問題視された外貨準備高不足への懸念もやや後退している印象だ。
2月3日に発表された1月の消費者物価も前年比で14.97%へ上昇したものの政策金利の17%を下回る水準だったことで実質マイナス金利状態へ押し戻される懸念も後退している。これらを含めて昨年11月までのリラ暴落状況からの脱却によるリバウンドの継続感が維持されている印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月2日夕刻へ大幅続伸してから14.60円割れへ反落したために3日午前時点では2月2日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。また安値形成期は28日午後安値を基準として2日午後から4日午後にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるとして14.65円超えからは新たな強気サイクル入りとしたが、2月3日夕刻に14.72円まで上昇したために4日午前時点では3日午前安値を直近のサイクルボトムとして新たな強気サイクル入りとして5日午後から9日夕にかけての間への上昇を想定した。4日夜へ一段高した後も高値を切り上げているのでまだ上昇余地ありとし、弱気転換は14.63円割れからとする。

60分足の一目均衡表では3日午前安値からの反騰で遅行スパンが好転、先行スパンの上限を下値支持線とした推移を続けている。2月2日夕高値を超えて続伸中のため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、遅行スパン悪化からは弱気転換注意、先行スパン転落からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4日夜の上昇時に75ポイントまで上昇、その後も60ポイント台で確りしているのでまだ上昇余地ありとみる。4日夜高値を超えてゆく過程で指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落注意とするが、弱気転換は50ポイント割れからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.63円を下値支持線、14.85円を上値抵抗線とする。
(2)14.70円以上での推移か一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとして14.85円超えからは14.90円を目指すとみる。14.90円以上は反落注意とするが、14.65円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.63円割れからはいったん下げに入るとみて14.55円前後への下落を想定する。14.55円以下は反騰注意とするが14.63円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月10日
 16:00 11月失業率 (10月 12.7%、予想 13.2%)
2月11日
 20:30 週次外貨準備高 2/5時点 (1/29時点 533.7億ドル)
2月12日
 16:00 12月経常収支 (11月 -406憶ドル)
 16:00 12月鉱工業生産 前年同月比 (11月 11.0%)
 16:00 12月小売売上高 前年同月比 (11月 11.9%)
 16:00 12月小売売上高 前月比 (11月 2.2%)


注:ポイント要約は編集部

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