ドル高基調は継続だが、調整懸念する声も
〇ドル円、日中高値105.20レベルへと小幅に上値を伸ばし直近の戻り高値更新
〇東京オリンピック、米国のサキ大統領報道官が開催をサポートする考え示す
〇米紙WSJ、ワクチン接種などで「ユーロ圏経済が米中に大きく後れを取っている」と報じる
〇陽線は6日連続、ドル高基調に変化なく基本的なリスクも上方向にバイアス
〇引き続きNYダウなど米株が堅調推移なら、ドル円も底堅く推移する可能性
〇本日は新規失業保険申請件数や12月製造業受注指数などの米経済指標発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.80-105.60
<< 東京市場の動き >>
4日の東京市場はドルが小高い。レンジそのものは20ポイント強にとどまったが、「寄り付き安・大引け高」の様相で、おおむね右肩上がりの展開だった。
ドル/円は104.95-00円で寄り付いたのち、しばらくは低位揉み合い。しかし、上値をキャップしていた105.05-10円を抜けると、そのまま日中高値である105.20円レベルへと小幅に上値を伸ばしている。ドルは再び直近の戻り高値を更新。その後はドルの強保ち合いとなり、16時現在でも高値圏、105.15-20円で推移し欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「東京オリンピック」と「欧州情勢」について。
前者は、引き続きコロナ禍にあるものの、国際オリンピック委員会(IOC)が「競技大会での選手への応援は歌・声援ではなく拍手で行う」など、7月に開催される競技大会に関するルールブックの初版を発表するなど開催への意欲を改めて示すなか、米国のサキ大統領報道官は記者会見で「わたしたちの計画は何も変わっていない」と述べ、消極的ながら開催をサポートする考えを示している。しかし、そうしたなか開催国である日本サイドから問題が複数噴出。なかでも、日本オリンピック委員会(JOC)の森会長が発した「女性蔑視」コメントが大きな物議を醸しており、今後にも禍根を残しそうな気配となっていた。
対して後者は、政治不安が指摘されてきたイタリアにおいて、前ECB総裁のドラギ氏を次期首相に推す動きが観測され、また一部で「ドラギ氏が新政権の組閣要請を受諾」といった報道も。予断は許さないが、同国の政治不安は目先後退した感がある。ただ、米紙WSJがコロナワクチン接種の遅れを取り上げたうえで、「ユーロ圏経済が米中に大きく後れを取っている」と報じるなど、今度は経済面の懸念も別に取り沙汰されていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、終日を通して20ポイント以下の値幅。東京市場しか稼働せず、一年でもっとも動きの鈍いクリスマスに匹敵するかのような価格変動だった。ただ、それでもドルは下値を連日で切り上げてきただけでなく、終わってみれば日足も陽線。これで陽線は6日連続となる。ドル高基調に変化はなく、基本的なリスクも上方向にバイアスか。ただ、そろそろ一時的な下押し、調整への警戒も指摘され始めていた。
昨日発表された米経済指標、1月のADP雇用統計は予想を大きく上回る好数字。そののちADPから「大企業にはパンデミックの長期的影響の兆候もうかがえる」などとした見解も聞かれたが、ともかく週末発表の1月米雇用統計についても期待感を抱かせる内容だったことは間違いない。引き続きNYダウなど米株が堅調に推移するなら、それに支えられる格好でドル/円も底堅く推移する可能性がある。
テクニカルに見た場合、ドルは本日東京夕方にかけて上値を伸ばすと、105.20円レベルまで到達。連日レポートしている昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは38.2%戻しにあたる105.35-40円が名実ともに視界内に捉えられてきた。また、抜ければ昨年11月高値の105.68円がターゲット。近い水準には移動平均の200日線も位置しており、上値は重そうだが果たして攻防の行方は如何に!?
材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、週間ベースの新規失業保険申請件数や12月の製造業受注指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された米経済指標は雇用指数以外も総じて良好だったことで、本日の指標についても市場の期待感は高い。また本日は 英中銀による金融政策発表なども実施される見込みで、英国情勢を警戒する向きも少なくないようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.80-105.60円。フィボナッチポイントの105.35-40円が最初のドルの抵抗。超えると105.68円などを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、連日ドルの下値が切り上がっていることから、まずは昨日安値の104.92円をめぐる攻防に注目。ただ、割り込んでも下方向にサポートは多く、かなり底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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