トルコリラ円見通し 14.65円台に到達、昨年8月以来の高値水準(21/2/2)

トルコリラ円は2月1日高値で14.65円まで上昇、日足終値は14.57円で先週末1月29日終値14.29円から1.95%高の上昇となった。

トルコリラ円見通し 14.65円台に到達、昨年8月以来の高値水準(21/2/2)

トルコリラ円見通し 14.65円台に到達、昨年8月以来の高値水準

〇トルコリラ円、2/1高値14.65まで上昇、昨年8/12以来の高値水準となる
〇トルコリラ対ドル、2/1高値7.15リラまで上昇、1/7高値7.23リラを超える
〇トルコリラ対円・対ドル、ともに1/28から3日連続陽線、歴史的暴落からの上昇本格化か
〇1月イスタンブール製造業PMI、市場予想及び前月の結果を大幅に上回る
〇14.50以上での推移中は上昇余地あり、14.65超えからは14.70試しへ向かうとみる
〇14.50割れからはいったん調整安に入るとみて、14.40から14.30にかけてのゾーンを試すとみる

【概況】

トルコリラ円は2月1日高値で14.65円まで上昇、日足終値は14.57円で先週末1月29日終値14.29円から1.95%高の上昇となった。日足は1月28日から3日連続陽線、14.65円台は昨年8月12日以来の高値水準となった。
11月6日に11.99円の史上最安値まで暴落が続いていたところから、11月7日の中銀総裁更迭をきっかけに金融政策正常化への期待感から反騰に転じた。11月19日にアーバル新総裁が政策金利を10.25%から15.0%へ引き上げた際に13.82円まで上昇し、その後は上昇一服から11月24日に12.92円までいったん反落したものの13円台前半を中心に高止まりとなり、12月11日に12.96円まで下げたところを起点として二段目の上昇期に入り12月24日に中銀が政策金利を17.0%へ連続利上げしたことで上昇に勢いがついて12月28日には11月19日高値を超えて1月7日には14.25円まで高値を伸ばした。

1月18日にかけては当面の買い材料出尽くしとして13.74円まで下げたものの、トルコ経済指標の持ち直と1月21日の金融政策決定会合で政策金利を現状維持としつつもインフレ抑制のために追加利上げの可能性もあると表明されたことで上昇基調を再開、1月29日に1月7日高値を超えたところからはテクニカルな買いの連鎖も入って上げ足が早まり2月1日もさらに大幅続伸となった。

【トルコ製造業の回復期待】

2月1日に発表された1月のイスタンブール製造業PMIは54.4となり市場予想の51.2及び12月の50.8を大幅に上回った。

トルコリラ円見通し 14.65円台に到達、昨年8月以来の高値水準

昨年3月のコロナショックにより2月に52.4だったところから4月には33.4まで急降下したが、7月には56.9まで急回復した。その後は感染拡大の第二波の影響もあってやや鈍化が続いていたが、感染拡大も再び抑制が効き始めたことで1月は持ち直しに入り6か月振りの高値水準となった。このことも2月1日のトルコリラ上昇に寄与したようだ。

【対ドルで11月6日以降の高値を更新、1月7日高値を超えて三段目の上昇に】

対ドルでのトルコリラは2月1日に7.15リラまで上昇して1月7日高値7.23リラを超えた。この結果、11月6日安値8.57リラからの上昇は11月19日までを一段目、12月11日から1月7日までを二段目とし、1月18日から三段目の上昇期に入った印象だ。
日足は1月28日から3連騰、週足でも1月17日の週から先週まで2週連続の上昇、今週もすでに前週比1.68%高の上昇となっている。12月13日の週から4週連続上昇の後に1月10日の週に上昇一服となったがそこから連騰に入ってきている。
2月1日はユーロや円、豪ドル等が下落、新興国通貨でもメキシコペソが下落するなどドル高感が強まっているが、トルコリラは逆に一段高に入っており、昨年11月6日への歴史的暴落からの揺れ返し上昇が本格化している印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月26日夕安値を起点とした上昇期入りとして1月28日夜から2月1日夜にかけての間への上昇を想定してきた。2月2日未明へ急伸した後はやや下げているが、上昇の起点を1月28日午後安値と改めて高値形成期を2月3日夜にかけての間へ延長し、14.45円以上での推移中はまだ上昇余地ありとし、14.45円割れからはいったん調整安に入るとみて2月2日午後から4日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では遅行スパンの好転と先行スパンを上回る状況が続いている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、新たな高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からは安値試し優先とする。またその際は先行スパン下限が下値支持線となりやすいと考える。

60分足の相対力指数は29日夜高値から2月2日未明高値への一段高に際して指数のピークがほぼフラットでダブルトップ型を形成しているため弱気逆行により下げやすくなっている印象だ。50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、50ポイント割れからはいったん下げに入るとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.50円を下値支持線、2月2日未明高値14.65円を上値抵抗線とする。
(2)14.50円以上での推移中は上昇余地ありとし、2日未明高値超えからは14.70円試しへ向かうとみる。14.70円以上は反落注意とするが、14.50円以上での推移を維持するなら3日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.50円割れからはいったん調整安に入るとみて14.40円から14.30円にかけてのゾーンを試すとみる。14.40円以下は反騰注意圏とするが、14.50円以下での推移が続く場合は3日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月3日
 16:00 1月消費者物価 前年同月比 (12月 14.6%、予想 13.8%)
 16:00 1月消費者物価 前月比 (12月 1.25%、予想 0.6%)
 16:00 1月生産者物価 前年同月比 (12月 25.15%、予想 24.4%)
2月4日
 20:30 週次外貨準備高 1/29時点 (1/22時点 505億ドル)
2月10日
 16:00 11月失業率 (10月 12.7%、予想 13.2%)
2月11日
 20:30 週次外貨準備高 2/5時点
2月12日
 16:00 12月経常収支 (11月 -406憶ドル)
 16:00 12月鉱工業生産 前年同月比 (11月 11.0%)
 16:00 12月小売売上高 前年同月比 (11月 11.9%)
 16:00 12月小売売上高 前月比 (11月 2.2%)


注:ポイント要約は編集部

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