ドル円見通し 11月16日以来の105円台到達、ドル高感強まる(21/2/2)

ドル円は2月2日未明高値で105.02円まで上昇、昨年11月16日以来となる105円台に到達した。

ドル円見通し 11月16日以来の105円台到達、ドル高感強まる(21/2/2)

ドル円見通し 11月16日以来の105円台到達、ドル高感強まる

〇ドル円、2/2未明105.02まで上昇、昨年11/16以来となる105円台到達
〇NYダウ・ナスダック共に上昇、2/1は米国株高かつドル高となる
〇ユーロ圏経済指標の不冴え、ユーロ売りを助長したか
〇ドル円、1/27から2/1まで4日連続陽線、1/6底からの上昇二段目に入り先高感強まった印象
〇米国新型コロナ新規感染者減少傾向、景気回復で先行するとの期待感がドル高の背景か
〇104.60を割り込まないうちは上昇余地あり、105.25超えからは105円台後半を目指す上昇を想定
〇104.60割れからはいったん調整安に入るとみて、104.50、次いで104.25を試す流れとみる

【概況】

ドル円は2月2日未明高値で105.02円まで上昇、昨年11月16日以来となる105円台に到達した。
先週末にかけて大幅下落してきたNYダウが2月1日は先週末比229.29ドル高(0.76%高)と上昇、ナスダック総合指数も同332.70ポイント高(2.55%高)と反騰したことで株安によるリスク回避感はひとまず後退した。通常なら株高再開で為替市場もリスク選好感を取り戻して投機通貨買いが活発化してドル安となるところ、2月1日は逆にドル高となった。1日午後に発表されたドイツの12月小売売上高が前月比9.6%減となり市場予想の2.0%減を大幅に下回ったことや夕刻に発表されたドイツとユーロ圏の1月製造業PMI確定値が速報値からわずかに上方修正されたものの冴えない水準にとどまったことがユーロ売りを助長したことがきっかけとされるが、新型コロナウイルスの感染拡大が米国で低下傾向に入ったことでワクチン普及や景気回復において米国が欧州に先行するのではないかとの思惑もユーロ売りドル買いを助長した可能性があると指摘されている。

新興国通貨等ではまちまちの動きも見られたが総じて米国株高かつドル高の趨勢となったことでドル円も1月11日高値を超えて1月6日以降の上昇が二段上げに発展した勢いを継続して105円台に到達したという印象だ。

【日足は4日連続陽線で勢いつく】

ドル円は1月27日から2月1日までの4日間、日足は連続陽線となった。1月6日安値102.59円で当面の底を付けて戻しに入ったが、1月6日当日から1月11日まで3日連続陽線(赤三兵)で反騰した後はジリ安の推移だったが、1月11日高値104.39円を1月28日に超えたことで1月6日底からの上昇が二段目に入ったために先高感が強まってきた印象だ。
既に昨年3月24日高値と6月5日の戻り高値を結んだ抵抗線を突破、7月1日以降の戻り高値を結ぶ抵抗線も1月11日高値時点では突破できなかったが1月28日の上昇で突破してきた。また日足では一目均衡表の先行スパンを1月28日から突破し始めており、上昇規模としては昨年5月7日安値105.98円から6月5日高値109.84円まで3.86円の上昇幅となった時に近い動きに入ってきている印象がある。

【ドル高の動き】

米国の新型コロナウイルスの新規感染者数が1月8日に30万6169人増となったが、その後は低下傾向が続いており1月31日には11万997人まで減少している。ワクチン普及による抑制、米大統領選挙とクリスマスから年始を超えて密集による感染拡大も落ち着いたことと思われるが、世界的なワクチン普及競争の中で米国が一歩先んじて効果を上げ始めて景気回復でも先行するとの期待感がドル高の背景となっている印象もある。
ユーロドルも昨年3月からの大上昇を続けてきたが1月6日高値の後は上値が重くなっており、1月18日安値1.2053ドル割れへの余裕が乏しくなっているが、底割れに入れば1月6日からの下落も二段下げに入り先安感が強まりかねないところにある。ユーロ売りというよりもこれまでの大上昇が年明けで一巡し、いったん中勢レベルの調整期に入ることでドルが買い戻しによる上昇感を強め始めたためにドル円も二段目の上昇に入ってさらに伸びてきているという状況ではなかろうか。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月26日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして1月28日夜から2月1日深夜にかけての間への上昇を想定してきた。29日夕刻へ一段高したところからは上げ渋りに入っていたが1日夜に一段高に入っている。このため1月29日夕高値を直近のサイクルトップ、上げ渋り持ち合い中の安値である2月1日午前安値104.60円を同サイクルボトムとし、高値更新により新たな強気サイクルに入ったと仮定する。次の高値形成期は2月3日夕から5日夜にかけての間と想定されるので2月1日午前安値を割り込まないうちは上昇余地ありとみる。ただし、2月1日午前安値を割り込む場合は直前高値を直近のサイクルトップと改めて弱気サイクル入りとし、2月2日の日中から3日未明にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では27日夜の急騰で遅行スパンが好転、先行スパンも突破し、その後も両スパン揃っての好転を続けている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とする。また先行スパンを上回るうちは一時的に遅行スパンが悪化してもその後の好転からは上昇再開とするが、先行スパンへ潜り込み始める場合は弱気転換注意とし、先行スパン転落からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月29日高値から2月2日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がっているため弱気逆行となる可能性がある。50ポイントを上回るうちは65ポイント超えから上昇再開とするが、50ポイント割れから続落に入る場合はいったん下げに入るとみて30ポイント台後半を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、2月1日午前安値104.60円を下値支持線、105.25円を上値抵抗線とする。
(2)1日午前安値を割り込まないうちは上昇余地ありとし、105.25円超えからは105円台後半を目指す上昇を想定する。105.50円超えではいったん売られやすいと注意するが、104.90円以上での推移なら2月3日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)2月1日安値割れからはいったん調整安に入るとみて104.50円、次いで104.25円を試す流れとみる。104.35円以下は反騰注意とするが、1日午前安値を割り込んだ後も104.70円以下での推移なら3日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2/2(火)
12:30 (豪) 豪中銀、政策金利 (現行 0.10%)
19:00 (欧) 10-12月期 GDP速報値 前期比 (7−9月 12.5%、予想 -1.0%)
19:00 (欧) 10-12月期 GDP速報値 前年同期比 (7−9月 -4.3%、予想 -5.4%)
28:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、挨拶
28:00 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、討論司会

2/3(水)
英中銀金融政策委員会(MPC)1日目
06:45 (NZ) 10-12月期 就業者数増減 前期比 (7−9月 -0.8%、予想 0.1%)
06:45 (NZ) 10-12月期 就業者数増減 前年同期比 (7−9月 0.2%、予想 -0.1%)
06:45 (NZ) 10-12月期 失業率 (7−9月 5.3%、予想 5.6%)
09:30 (豪) 12月 住宅建設許可件数 前月比 (11月 2.6%、予想 2.5%)
10:30 (豪) ロウ豪中銀総裁、講演
10:45 (中) 1月 財新サービス業PMI (12月 56.3、予想 55.5)
17:55 (独) 1月 サービス業PMI改定値 (速報 46.8、予想 46.8)

18:00 (欧) 1月 サービス業PMI改定値 (速報 45.0、予想 45.0)
18:30 (英) 1月 サービス業PMI改定値 (速報 38.8、予想 38.8)
19:00 (欧) 12月 生産者物価指数 前月比 (11月 0.4%、予想 0.7%)
19:00 (欧) 12月 生産者物価指数 前年同月比 (11月 -1.9%、予想 -1.3%)
19:00 (欧) 1月 消費者物価指数速報値 前年同月比 (12月 -0.3%、予想 0.6%)
19:00 (欧) 1月 消費者物価コア指数速報値 前年同月比 (12月 0.2%、予想 0.9%)
22:15 (米) 1月 ADP全米雇用報告 非農業部門雇用者数 前月比 (12月 -12.3万人、予想 6.0万人)
23:45 (米) 1月 サービス業PMI改定値 (速報 57.5、予想 57.5)
24:00 (米) 1月 ISM非製造業景況指数 (12月 57.2、予想 56.7)
27:00 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
28:00 (米) ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、講演


注:ポイント要約は編集部

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