ドル円、心理的節目105.00をついに突破。約2ヶ月半ぶり高値圏へ
〇ドル円リスク選好がドル買いに反応し、一時2か月半ぶり高値105.04に上昇
〇1月ISM製造業指数は不冴えなるも反応は限定的
〇ユーロドル、ユーロ高牽制懸念、ロックダウン長期化、独小売売上高不冴えで1.2060まで下落
〇テクニカルには一目均衡表の「雲」の上限、90日線を突破ドル買い地合い強い
〇金融市場不安定化、コロナ変異種感染拡大、雇用統計前の警戒感等が上昇抑制要因
〇株式、商品市場動向注視、本日の予想レンジ:104.50ー105.30
海外時間のレビュー
1日(月)の外国為替市場でドル円は続伸。@日経平均株価の上昇を背景としたリスク選好の円売り圧力や、A対主要通貨で広がるドル買い圧力(先週までは米株安→リスク回避のドル買いといった逆相関の流れが続いていたが、今週は米株高とドル高が併存する順相関の動きに転換)、Bロンドンフィキシングに絡むドル買いフロー、Cテクニカル的な地合いの強さが支援材料となり、米国時間午後にかけて、昨年11/16以来、約2ヵ月半ぶり高値となる105.04まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、104.92近辺で推移しております。尚、昨日発表された米1月ISM製造業景況指数(結果58.7、予想60.0)は冴えない動きとなりましたが、市場の反応は限定的となっております。
1日(月)のユーロドル相場は節目1.2100を割り込み下落。@欧州当局者によるユーロ高牽制の思惑や、A欧州各国のロックダウン長期化懸念、Bドイツ12月小売売上高(結果1.5%、予想4.7%、前年同月比)の冴えない結果、Cロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.2060まで下落しました(先週11/27以来、3営業日ぶり安値)。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2066近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は心理的節目105.00を突破し、約2ヵ月半ぶり高値となる105.04まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上限や90日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やバンドウォークも点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(目先は105.60近辺に位置する200日線がターゲット)。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、米ゲームストップ株に端を発した金融市場の不安定化(昨日は銀先物価格が高騰)や、新型コロナウイルスの変異種拡大、今週末の米雇用統計を前にした警戒感など、ドル円の上値を抑制する材料も散見されます。以上の通り、ドル円はテクニカル的な強さを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。今週は株式市場と米ドルの相関関係が逆相関から順相関に転換しており、今後はリスク回避局面で素直にドル円が下落する可能性もありそうです。株式市場や商品市況の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:104.50ー105.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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