豪ドル/円、中期的な“豪ドル強気”の流れ。78.50割れで短期トレンドに変化
29日に発表された2020年10-12月期の豪PPI(生産者物価指数)は前期比+0.5%、前年比▼0.1%でしたが、為替相場には影響がありませんでした。むしろ、米国株式市場の混乱によるリスク回避のドル買いが強まる展開となり、豪ドルは対米ドルでは上値を切り下げる展開となりましたが、円の独歩安の動きがより強く、対円では堅調に推移しています。
1月が終わったところで今週は中・長期的な観点で豪ドル/円の先行きを分析します。1月足は値幅の小さい陽線で越月し、3ヵ月連続の陽線引けとなりました。この間に12月足が2014年11月に付けた二番天井102.84を基点とするレジスタンスラインから上抜けており、中・長期的な上昇トレンドに入った可能性が生じています。1月足が上昇エネルギーの強いものではないことから上値を追い切れずに調整下げ局面に入る可能性がありますが、この場合でも78.50割れで終えない限り、短期トレンドは変化しません。またこの場合でも76円割れで越月しない限り、中期トレンドは変化しません。
一方で、2013年4月に付けた105.44と14年11月の102.84を結ぶ長期的なレジスタンスラインが91.50〜92.00に位置しており超長期的な上値抵抗として働いています。また、その前に、2009年2月の55.56を基点とするサポートラインからは下抜けた位置で推移しており、この月足の上値抵抗が83.30〜83.80に位置していることから、84円台はまだ大きな壁となりそうです。しかし、2009年2月の55.56と昨年3月の59.91で超長期的な二番底を確認したと見られること、前述の102.84と2018年1月の戻り高値89.09を結ぶトレンドラインの下値抵抗が71.30〜71.80ゾーンにあり、豪ドルが大幅な下落に転じた場合でもこれを大きく割り込むほどの下げには繋がらないでしょう。
一方足元では、80.40-50,80.70-80に日足の上値抵抗があり、これらを全て上抜けて来ないと上値余地も拡がり難い状態です。また、79円割れで終えた場合は日足の形状が悪化して下値リスクが点灯、78.50割れで終えた場合は短期トレンドが変化して調整局面入りの可能性が高くなります。この場合でも31週、62週移動平均線は76.70と74.23に位置しており、中期トレンドが強い状態にあることから、76円台を大きく割り込まない可能性も高いと見られます。
1/29現在、31ヵ月、62ヵ月週移動平均線は76.10と79.85にあり中期トレンドは“豪ドル強気”の流れを維持している。
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