『心理的節目7.00円トライに失敗。来週は反落リスクに要警戒』
〇南ア円米国の南アからの渡航禁止可能性報道に6.75まで下落
〇その後はワクチンが南ア変異種にも有効との報道、南ア株最高値更新に6.99まで反発
〇テクニカルには「雲」の中でもがく一週間、情報ブレイクには失敗
〇ファンダメンタルズも不安要因多い
〇南ア円下落がメインシナリオ、来週の予想レンジ(ZARJPY):6.75ー7.05
今週のレビュー(1/25−1/29)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初6.86円で寄り付いた後、@通信社による「バイデン米大統領は南アフリカからの渡航を禁止する可能性がある」との一部報道を背景に、翌1/26に、週間安値6.75円まで下落しました。しかし、1/18に記録した直近安値6.74円をバックに下げ渋ると、A米製薬大手ファイザー社が開発した新型コロナウイルスのワクチンが南アフリカの変異種にも有効であるとの報道や、B南アフリカに友好的なバイデン新政権開始に伴う期待感、C南アフリカ株が史上最高値を更新したこと等が支援材料となり、週末にかけて、週間高値6.99円(約1週間ぶり高値)まで反発しました。もっとも、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、引けにかけて反落し、結局6.92円前後での越週となっております。
来週の見通し(2/1−2/5)
今週の南アフリカランド円相場は、一目均衡表の「雲」の中でもがく1週間となりました(上下しつつも方向感に欠ける展開)。週末にかけて一時6.99円まで上値を伸ばすも、心理的節目7.00円手前の戻り売りに押される形で、上方ブレイクは失敗に終わりました(上値の重さを再確認)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大(ロックダウン長期化に伴う南ア経済の下振れ懸念)や、A南ア中銀による根強い追加緩和観測(今週発表された南ア12月生産者物価指数は市場予想を下回る結果→インフレ圧力の低下は追加緩和観測の再燃を通じて南アランドの重石)等、南アランド売りを想起させる材料が増えつつあります。
加えて、足元では米ゲームストップ株の乱高下をきっかけに、株式市場や商品市況が不安定化しており、短期的にリスク回避の新興国通貨売りを誘発しやすい点にも注意が必要でしょう(株式市場や商品市況の下落→リスク回避ムード再燃→南アランドを含む新興国通貨全般に下落圧力)。
以上の通り、南アランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、反落リスクが警戒されます。新型コロナウイルス(変異種)に関する続報や、世界的な株価の動向、経済的な結びつきの強い中国の経済指標(中国1月製造業PMIなど)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(目先は6.71円付近に位置する一目均衡表雲下限を試すシナリオを想定。同水準を下抜けできれば、日足ベースで強い売りシグナルを示唆する三役逆転が点灯→「中立→下落」へのトレンド転換。一方、上方向は7.00円が心理的なレジスタンス)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.75ー7.05
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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