トルコリラ円見通し 1/18からの上昇基調を維持、14.20円台に到達して1/7高値14.25円に迫る(21/1/29)

1月18日安園13.74円以降の高値を更新、29日午前には14.20円まで高値を切り上げて1月7日高値14.25円に迫ってきた。

トルコリラ円見通し 1/18からの上昇基調を維持、14.20円台に到達して1/7高値14.25円に迫る(21/1/29)

1/18からの上昇基調を維持、14.20円台に到達して1/7高値14.25円に迫る

〇トルコリラ円、1/28夕刻からドル安へ転じた流れに乗じ、1/29午前14.20まで高値を切り上げ
〇対ドル、1/28午後7.42リラまで一旦反落したがその後反騰、1/29早々に7.32リラまで持ち直す
〇1/18以降、底上げをしつつ上昇基調を維持している印象
〇NYダウの続落と反騰に為替市場全般が影響され、やや乱調な展開を繰り返している状況
〇トルコ中銀、1/28のオンライン会見にて金融引き締め姿勢継続を改めて表明
〇14.10以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは、14.25試しとする
〇14.05割れからはいったん調整安に入るとみて14.00、次いで13.95前後を目指す下落を想定

【概況】

トルコリラ円は1月26日夜高値14.12円から28日午後安値14.00円まではドル高に圧されてやや下げていたが14円台をぎりぎりで維持し、夕刻からドル安へ転じた流れに乗じて26日夜高値を上抜き1月18日安園13.74円以降の高値を更新、29日午前には14.20円まで高値を切り上げて1月7日高値14.25円に迫ってきた。
1月28日夕刻に発表されたトルコの1月経済信頼感指数は96.2となり12月の94.7から上昇した。同指数は昨年のコロナショックにより3月の94.8から4月には58.4まで悪化したが、その後は持ち直しており、10月に97.2まで回復した後は横ばいの推移となっている。

【為替市場全般がやや乱調だがトルコリラは対ドルでの堅調さを維持】

1月21日から27日までNYダウが5営業日連続で下落し、27日は前日比633.87ドル安の大幅下落となり、28日夕刻にかけてもダウ先物や欧州株が軟調推移を続けたため、為替市場全般は1月21日から28日夕刻まではリスク回避的なドルの買い戻しでドル高感を強め、28日夕刻にかけては豪ドルやユーロ及び新興国通貨安が目立った。
対ドルでのトルコリラは11月6日の史上最安値からの反騰基調の中にあって1月18日安値7.53リラから1月27日朝高値7.32リラまでは上昇基調を継続してきたが、28日午後にかけてはドル高が加速する中で7.42リラまでいったん反落した。しかしNYダウが6日ぶりに反騰する中で豪ドル等が夕刻から反騰入りし、新興国通貨も夜から反騰入りしたことでトルコリラも上昇を再開して29日早々には7.32リラまで持ち直している。この結果、1月18日以降は底上げをしつつ上昇基調を維持している印象となっている。

為替市場全般がNYダウの続落と反騰に左右されつつやや乱調な展開を繰り返しているのでまだ波乱も続きやすい状況だが、週末のNYダウが連騰で終わればリスク選好感も回復してドル安新興国通貨高の流れも復調しやすいと思われ、その際はトルコリラの上昇にも追い風となると思われる。
1月28日はドル円も1月6日以降の高値を更新した。1月21日から28日夕刻まではドル高優勢での上昇、28日夕刻以降はドル安に流れが変わったものの米長期債利回りの上昇やクロス円全般の上昇によりドル円においてはドル高円安優勢の展開となって押し上げられた。このためトルコリラ円にとってはドル安リラ高と円安が重なる形となった。

【トルコ中銀、金融引き締め姿勢継続を改めて表明】

トルコ中銀のアーバル総裁は1月28日のオンライン会見でインフレ率が低下するまで金融引き締め政策を継続する姿勢を強調した。総裁は、現在の消費者物価指数上昇率は前年比で約15%だが年内に9.4%に低下するとの中銀予想を据え置いたが、金融緩和については「まだ早すぎる」とした。
トルコ中銀は昨年11月19日と12月24日の金融政策決定会合で2回連続の利上げを行い10月の10.25%から17.00%へと引き上げてきた。中銀による四半期インフレ報告では消費者物価上昇率は2022年末までに前年比7%へ低下する見通しとし、公式目標である5.00%の達成にはあと3年近くかかるとした。この目標を達成するまでは「金融政策の慎重なスタンスは断固として維持される」「この予測に上振れリスクがあることを承知しているが、必要であればさらに引き締めるというコミットメントを既に表明している」と述べた。

エルドアン大統領が1月15日に高金利状態を厳しく批判したことで市場もアーバル新総裁の下における中銀の金融引き締め姿勢にも影響が出るのではないかとの懸念を抱いたが、1月21日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたがインフレ抑制への引き締め姿勢を継続するとしたことで市場は新総裁への信頼感を維持し、中銀金融政策発表後には1月18日以降の高値を切り上げ、28日のオンライン会見発言を受けてさらに高値を切り上げてきている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月25日夜高値から26日夕刻へ下げてから一段高に入ったため、27日午前時点では21日午後安値から3日目となる26日夕安値を起点とした上昇期入りとし、高値形成期を28日夜から2月1日夜にかけての間と想定した。26日夜高値からやや下げ他ものの14円台を維持して一段高に入っているため上昇継続中とみるが、14.10円を割り込む場合は弱気転換注意とし、14.05円割れからはいったん下落期に入るとみて29日午後から2月2日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では28日午後への下落で遅行スパンがいったん悪化し、先行スパンを一時的に割り込む場面もあったものの上抜き返して反騰入りし。遅行スパンも再び好転している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから転落してさらに続落に入る場合はいったん調整安に入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は29日朝へ上昇しているものの60ポイント台にとどまっており70ポイント台へ進めずにいる。26日夜から29日朝への高値更新に対して指数のピークが切り下がっているため弱気逆行の気配だが、50ポイント台を維持するうちは上昇余地ありとし、50ポイント割れからはいったん下げに入るとみて30ポイント台を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.10円を下値支持線、1月7日高値14.25円を上値抵抗線とする。
(2)14.10円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは14.25円試しとする。14.25円以上は反落注意とするが、14.10円以上を維持しての推移が続くなら週明けも高値試しへ進み14.30円を目指すとみる。
(3)14.05円割れからはいったん調整安に入るとみて14.00円、次いで13.95円前後を目指す下落を想定する。14円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、14.05円以下での推移なら週明けは安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月29日
 16:00 12月貿易収支 (11月 -50.3億ドル)
 16:00 10−12月期観光収入 (7−9月期 40.4億ドル、予想 36.0億ドル)
 17:00 12月観光客数 前年比 (11月 -61.93%、予想 -67.0%)
2月1日
 16:00 1月イスタンブール製造業PMI (12月 50.8、予想 51.2)
2月3日
 16:00 1月消費者物価 前年同月比 (12月 14.6%、予想 13.8%)
 16:00 1月消費者物価 前月比 (12月 1.25%、予想 0.6%)
 16:00 1月生産者物価 前年同月比 (12月 25.15%、予想 24.4%)


注:ポイント要約は編集部

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