トルコリラ円見通し 1月18日安値からの上昇基調続く、新興国通貨高を反映(21/1/27)

トルコリラ円は1月26日夜に14.12円まで上昇して1月18日夕安値13.74円以降の高値を更新した。

トルコリラ円見通し 1月18日安値からの上昇基調続く、新興国通貨高を反映(21/1/27)

1月18日安値からの上昇基調続く、新興国通貨高を反映

〇トルコリラ円、26日夜に14.12まで上昇し1/18夕安値以降の高値更新
〇独自材料には欠いたもののドル全面安で上昇したという状況
〇調整期からの脱却による上昇継続で1/7高値14.25超えを目指す流れ
〇7日高値を上抜いてゆくには対ドルでのトルコリラ上昇継続が必要
〇26日はメキシコペソ、南アランド、ブラジルレアル等新興国通貨買いが回復しつつある印象
〇14.00以上での推移なら高値更新から14.15前後を目指すとみる
〇14円割れから続落に入る場合は26日夕安値13.93試しへ向かうとみる

【概況】

トルコリラ円は1月26日夜に14.12円まで上昇して1月18日夕安値13.74円以降の高値を更新した。
1月25日夜に14.06円まで上昇したところから26日午後にかけてのドル高局面でドル高リラ安となる中で26日夕刻に13.93円まで下げたものの1月22日夕安値13.61円割れには至らずに1月18日以降の底上げパターンを維持、26日夕刻から豪ドル等がV字反騰に入りドル全面安となる中で新興国通貨も反騰、対ドルでのトルコリラも上昇に入ったことでトルコリラ円も押し上げられて高値切り上げとなった。
トルコリラとしては1月21日にトルコ中銀が政策金利を現状維持としたものの市場予想通りとなり、中銀声明で必要なら追加利上げの可能性も示唆したことで21日夜へ上昇した後も確りして13.90円台前半へ下げたところも買い戻されていたが、26日夕刻からは独自材料には欠いたもののドル全面安で上昇したという状況だ。

【トルコリラ円は二段下げ調整から脱却、対ドルでは逆三尊形成からの上昇】

トルコリラ円は1月7日に14.25円まで上昇した後は1月18日まで二段下げ型で調整安に入った。しかし1月18日安値は13.74円にとどまって12月31日安値13.70円から底上げとなり、その後は上昇基調を続けている。1月7日高値と1月15日早朝の戻り高値を結んだ二段下げにおける上値抵抗線は1月22日への上昇で突破しており、1月26日夕刻への反落を押し目形成として1月15日早朝高値14.10円も上抜いたため、調整期からの脱却による上昇継続で1月7日高値超えを目指す流れと思われる。ドル円の動きが鈍いため、1月7日高値を上抜いてゆくには対ドルでのトルコリラ上昇継続が必要であり、そのためには1月28日未明に声明発表予定の米FOMCをドル安リラ高基調で通過してゆく必要がある。

対ドルでのトルコリラは1月7日高値7.23リラまで上昇した後は1月18日夜安値7.49リラまで反落したが、その後は上昇基調を再開し、1月26日夜への上昇で1月22日朝高値を超えて二段上げに入っている。1月18日夜安値を中心(頭)とすれば、1月11日深夜安値と1月22日夜安値を両肩とした逆三尊型を形成して上昇期に入っている印象だ。
1月26日はメキシコペソ、南アランド、ブラジルレアル等が上昇、人民元も対ドルで上昇しており、新興国通貨買いが回復しつつある印象だ。NYダウが小幅ながら4日続落となったものの米長期債利回りの低下によるドル安感も再燃しつつあるため、トルコリラとしてもトルコの独自材料、地政学的リスクやエルドアン大統領によるリラ安を招くような発言等が手控えられれば全般的な新興国通貨高と同調して高値試しを続けやすい環境となりつつあるのではないか。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月21日午後安値を起点とした上昇期として25日夜から27日深夜にかけての間への上昇を想定してきた。25日夜高値から26日夕刻へ下げてから一段高に入っているため、21日午後安値から3日目となる26日夕安値を起点として新たな上昇期に入ったと思われる。高値形成期は28日夜から2月1日夜にかけての間と想定する。弱気転換は26日夕安値割れからとし、その際は29日午後から2月2日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では26日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いているので、遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンから転落しないうちは一時的に遅行スパンが悪化してもその後の好転から上昇再開とするが、先行スパン転落からは下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は26日深夜に70ポイントに到達して25日夜高値時から指数のピークも切り上げたためまだ弱気逆行は見られない。相場が高値をさらに切り上げる中で指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は弱気転換注意とするが、弱気逆行気配がみられないうちは50ポイント以上での推移中は高値更新余地ありとし、50ポイント割れからは弱気転換を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.00円を下値支持線、26日夜高値14.12円を値抵抗線とする。
(2)14.00円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは高値更新から14.15円前後を目指すとみる。14.15円以上は反落注意とするが、14.05円以上での推移なら28日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.00円前後は押し目買いされやすいとみるが、14円割れから続落に入る場合は26日夕安値13.93円試しへ向かうとみる。13.95円以下は反騰注意とするが、14円以下での推移なら28日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月28日
 16:00 1月経済信頼感 (12月 86.4、予想 82.2)
 20:00 トルコ中銀金融政策会合議事要旨
 20:30 週次外貨準備高 1/22時点 (1/15時点 479億ドル)
1月29日
 16:00 12月貿易収支 (11月 -50.3億ドル)
 16:00 10−12月期観光収入 (7−9月期 40.4億ドル、予想 36.0億ドル)
 17:00 12月観光客数 前年比 (11月 -61.93%、予想 -67.0%)
2月1日
 16:00 1月イスタンブール製造業PMI (12月 50.8、予想 51.2)
2月3日
 16:00 1月消費者物価 前年同月比 (12月 14.6%、予想 13.8%)
 16:00 1月消費者物価 前月比 (12月 1.25%、予想 0.6%)
 16:00 1月生産者物価 前年同月比 (12月 25.15%、予想 24.4%)

注:ポイント要約は編集部

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